ステップゴルフで活躍する店長兼コーチの中には、中途入社の人も少なくありません。しかもその多くは、「ゴルフは大好きだけど、コーチ経験はまだない」という異業種からの転職者。今回取材した小林優太さんの場合、前職は大手クレジットカード会社の営業職でした。就職を機に始めたゴルフに夢中になり、「大好きなゴルフを広める仕事がしたい!」と考えステップゴルフに入社しました。1ヶ月の研修を経てコーチデビューを果たした小林さんに、研修で学んだことや仕事の面白さについて聞きました。
ステップゴルフの理念に惹かれ、金融営業から転職
――小林さんがゴルフを始めたきっかけは、どのようなものでしたか?
就職を機に新しい趣味がほしいと思い、ゴルフを始めました。以前はサッカーをしていたのですが、もっと体力的な負荷が少なく、長く続けられるスポーツが良いと考えたのが、ゴルフを選んだ理由です。営業の仕事にも役立つのではないか、という期待もありましたね。最初の3ヶ月ほどはスクールで基本を学び、その後は月に1、2回程度ラウンドでプレイするようになりました。
――ゴルフの楽しさを感じるようになったきっかけや、始めて良かったと思えるエピソードがあれば教えてください。
ゴルフを始めて3ヶ月ぐらいに初めてゴルフ場に行ったとき、なんとパー3のホールでバーディをとったのです。今でもよく覚えていますが、9番アイアンで信じられないようなナイスショットが出ました。まだまだ下手でOBも連発していましたが、このときの気持ち良さが忘れられず、ゴルフにのめりこんでいきました。また、当時の私はクレジットカード会社でローン商品の提案営業をしており、取引先を交えたゴルフコンペに参加することもよくありました。ゴルフができる若い人は少ないので可愛がってもらえ、商談にもプラスに働いたと思います。
――ステップゴルフへ転職した理由は何ですか?
28歳になって結婚をし、あらためて自分の人生を見つめ直したときに、「本当に自分のやりたいことに挑戦したい」と考えるようになりました。大好きなゴルフに関わる仕事を探す中で見つけたのが、ステップゴルフです。いくつかのゴルフスクールで話を聞きましたが、フランチャイズオーナーのために利益をあげることに重きをおいている企業も多くありました。もちろん事業として店舗を運営するうえで利益も大切ですが、それ以上に「ゴルフ未経験の方にいかにゴルフを楽しんでもらうか」を一番本気で考えていたのがステップゴルフだと面接で感じたので、それが入社の決め手になりました。
1ヶ月間の研修で、ステップゴルフ基本レッスンのメソッドをマスター
――ステップゴルフでは、社内の研修チーム「アカデミー」による1ヶ月間の研修で、店長業務とコーチ業務の両方を集中的に学べる制度があります。研修の内容はどのようなものでしたか。
前半は座学で、ステップゴルフの事業に関する全般的な知識や、店長として覚えるべき業務内容、ゴルフに関する知識について学びます。後半は実際に店舗に入らせてもらい、アカデミーの講師から指導を受けつつ、会員様を相手に実際のレッスンを経験します。私は2023年の10月に入社したのですが、同期の7人と一緒に研修を受けました。
――研修中に難しいと感じたことや、大変なことはありましたか?
これまでゴルフを人に教えた経験がなかったので、レッスンのやり方を身につけることが一番大変でした。特に難しいのは、「これまで自分で経験したことのない癖をもっている人」を指導すること。自分自身が克服したことがない課題を解決に導くためには、幅広い知識と経験が必要だと感じました。
――そうした課題を、どのように乗り越えられましたか?
研修中はいつでもアカデミーの講師に相談ができるので、レッスンをしていて気になることがあるたびに「このやり方で合っていますか?」と確認するようにしていました。そのくり返しで、少しずつ正しい方向性を学んでいきました。
――ステップゴルフの研修の、どのような部分が優れていると感じましたか?
「ゴルフをしたことがない人にどうやって教えるか」というメソッドを、ゴルフ指導未経験から1ヶ月間でマスターできるところはすごいと思います。また、ステップゴルフではテクニック向上だけでなく、会員様がゴルフを楽しみ、続けていけることを重視しています。研修でも、お客様との会話を楽しむことや、ホスピタリティの大切さを丁寧に教わり、それは現在行っているコーチ業務にも役立っていると思います。
――研修中の経験で、特に印象に残っているエピソードがあれば教えてください。
ステップゴルフには、実際にゴルフ場に出てレッスンをする「コースレッスン」があります。研修中にこれを体験させてもらったときのことが、印象に残っています。そこにおいでになっていたのが、コースに初めて出たという女性の会員様。彼女は初めてのコースにもかかわらず、ナイスショットを連発されており、私も「すごいですね!」「ナイスショット!」と自然に誉め言葉が口から漏れるほどでした。
ところが、レッスンが終わった後、彼女が私にこんな風に打ち明けてくれたのです。「今まではインドアで練習していてもなかなか上手くならなかったので、実はもうゴルフは辞めようかな、と思っていたんです。でも今日は、ここまで続けてきて良かったと心から思えました」と。この言葉を聞いたとき、ゴルフの魅力を伝えるという仕事の本質に触れた気がして、私も本当に嬉しくなりました。
いつかは店舗オーナーとして、理想の店づくりに挑戦したい
――研修を終えた今、小林さんは店長代理として店長業務やレッスンを担当されています。研修の成果はいかがですか?
今はいくつかの店舗を回りながらレッスンを担当しているので、一人ひとりの会員様を継続的に指導するのは難しい状況です。それでも、初心者の方はわずかな時間でも圧倒的にステップアップするケースが少なくありません。何度か顔を合わせた会員様から「前回教わったアドバイスを実践したら、スコアが伸びました!」といった言葉をいただいたこともあります。研修で学んだ技術が活かせているのだと思いますね。
――小林さんは営業職から転職されていますが、前職の経験が活かせていると感じることはありますか?
仕事の付き合いでゴルフをしている会員様も多いので、「僕も営業の仕事がきっかけでゴルフを始めたんですよ」といった話をすると、話が弾みます。ステップゴルフの会員様は、レッスンだけでなく会話を楽しみたいという方が多いので、営業時代に培ったコミュニケーションスキルも活かせているのかな、と思いますね。
――コーチとしてやりがいを感じるのはどんなときですか?
会員様が上達したり、ゴルフをより楽しめるようになっていくのを見るとき、やりがいを感じます。実は2週間ほど前から、会員様からコーチに対する意見を募るアンケートサイトがオープンされたのですが、まだ店長代理でしかない私あてにも「レッスンのおかげで癖が治りました。ありがとうございました」と嬉しいコメントが届いていました。そういう反響を見ると、「頑張ってレッスンして良かったな」と心から思えます。
――これからどのような店長兼コーチを目指したいか、あるいはその先のキャリアについて、今後の意気込みを教えてください。
まずは各店の店長の仕事ぶりをよく見て、自分も良いレッスンができるよう勉強したいと思います。正式に店長になったら、ゴルフに対してハードルの高さを感じている方にも、ゴルフの楽しさを伝えられるようなレッスンをしたいですね。
そして将来は、私自身がオーナーとして店舗の経営に携わってみたいと考えています。実はステップゴルフには、実際に店舗のオーナー兼店長として活躍している社員がいます。私が理想とする店舗は、一人ひとりの会員様が楽しめることはもちろん、会員様同士も仲良くなれるようなお店。先ほどお話ししたコースレッスンでも、会員様同士が自然に仲良くなり、別れ際に連絡先を交換している様子が素敵でした。コミュニケーションツールとしてのゴルフの魅力を伝えるために、ゴルフコンペなどのイベント企画やアパレルブランドとのコラボレーション企画などにも挑戦してみたいです。