ゴルフのスイングに大きく影響するシャフトの調子(キックポイント)。
言葉を聞いたことはあっても、どんな特徴があり、どんな人に合うのか分からない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、中調子・先調子などのシャフトの調子について、種類や特徴を解説します。
また、調子別に合う人の特徴や調子の選び方についても紹介。自分に合ったシャフトの調子が分かるでしょう。
シャフト交換を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

シャフトの調子(キックポイント)とは
ゴルフクラブは、スイング中にシャフトがしなることでボールに力を伝えます。
シャフトの最もしなる部分を調子(キックポイント)といい、この調子の位置はシャフトの種類によって異なります。
スイングに合ったシャフトを装着することで、球筋や弾道の高さなど、理想の弾道に近づけることが可能です。そのため、調子の種類はシャフト選びの重要な要素といえるでしょう。
キックポイントの位置は、シャフトのセンター付近の10cmほどの範囲内に設定されることが多いようです。
たった数センチの違いですが、同じスイングをしたとしても、シャフトのしなり方が変わることで弾道の変化を感じられるでしょう。
シャフトの調子(キックポイント)の種類と特徴
シャフトの調子はいくつかの種類に分けられ、どの部分がしなるかで特徴が変わります。
以下の表は、代表的なシャフトの種類と特徴をまとめたものです。
ただし、キックポイントの位置や範囲は統一されていないため、メーカーによってばらつきがあります。
種類 | 特徴 |
---|---|
手元調子 | 最も手元側(グリップ側)がしなるタイプ。 スイングにタメが生まれやすい。 |
先調子 | ヘッド側がしなるタイプ。 高弾道でつかまったショットになりやすい。 |
中調子 | シャフトのセンター付近がしなるタイプ。 先調子と元調子の中間的な特徴があり、癖が少なく安定感がある。 |
元調子 | センターより手元側がしなるタイプ。 低弾道になりやすく、ボールがつかまりすぎない。 |
手元調子
キックポイントが最もグリップ側に近い場所にあるシャフトを、手元調子といいます。
手元調子のことを元調子と同じ意味で呼ぶこともありますが、一般的な元調子はシャフトのセンター付近に位置することが多いようです。
また、元調子よりさらに手元側にキックポイントのあるタイプを超手元調子といいます。
手元調子はかなりグリップ側に近い場所が大きくしなるので、トップからの切り返しで簡単にタメを作れることが特徴。
そこから一気にパワーをリリースすることで、クラブのエネルギーを最大限に活かせます。
クラブのタメを作る感覚を身に付けるのに向いているシャフトです。
先調子
先調子のシャフトはヘッド側が最もしなるため、ヘッドが走りやすいのが特徴。
それによってボールをつかまえやすくなるため、右へのスライス軽減に効果的です。
また、シャフト先端がしなり戻ることでフェースが上を向きやすく、高弾道のボールが出やすくもなります。
一方、デメリットはボールが左へ飛びやすいこと。
ヘッドが走ることで、ひっかけやチーピンが出やすくなるのも特徴です。
先調子のなかでも、やや手元側にキックポイントのある先中調子という種類もあります。
先調子と中調子の中間的な性能を持ったシャフトです。
中調子
中調子は、シャフトの中心部にキックポイントがあり、先調子と元調子の中間的な特徴があります。
ヘッド側と手元側をバランス良くしならせるため、癖の少ないシャフトです。
万人向けのシャフトなので、メーカーの純正シャフトとして多く使用されています。
しかし、癖がないということは、裏を返せば突出した性能を出しづらいということ。
シャフトを交換することで弾道に変化を出したい場合には、あまり向いていないでしょう。
元調子
元調子は、センターよりやや手元側にキックポイントのあるシャフトです。
手元調子と同じく、手元側がしなることで、トップでタメを作りやすい特徴があります。
キックポイントは超手元調子よりセンターに近い位置にくるため、自然なタメを作るのに向いているでしょう。
元調子のデメリットは、ヘッド側のしなりが弱いため、ボールをつかまえづらいこと。
さらに、ヘッドが走りにくいことにより、インパクトでフェースが上を向きづらくなり、弾道が低くなりやすい弱点もあります。
また、元調子よりややセンター付近にキックポイントがあり、中調子と元調子のよいところを取った中元調子という種類もあります。
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シャフトの調子(キックポイント)の見分け方
一部のシャフトには、キックポイントがどこにあるのかが表記されている場合があります。
調子の表記方法はメーカーによってさまざまですが、KP(キックポイント)やFlex Point(フレックスポイント)などと記載されている部分です。
この部分にある「MK」「Mid」などの表記が、そのシャフトの調子を示しています。
表記の仕方はメーカーにより異なりますが、主に使われることが多い代表例は、以下の表のとおりです。
「代表的なシャフト調子の表記一覧」
表記 | 調子の種類 |
---|---|
「MK(ミドルキックポイント)」、「Mid」 | 中調子 |
「LK(ローキックポイント)」、「Low」 | 先調子 |
「HK(ハイキックポイント)」、「High」 | 元調子 |
「Low/Mid」 | 先中調子 |
「Mid/High」 | 中元調子 |
シャフトに調子の表記がない場合は、メーカーサイトのクラブスペック表で確認する方法もあります。
【スイングタイプ別】シャフトの調子(キックポイント)の選び方
スイングに合った調子のシャフトを使うと理想の弾道に近づけるなどメリットを得られるため、自分にはどのタイプのシャフトが合うのか、気になる方も多いでしょう。
ここでは、スイングタイプによって向いているシャフトの調子を紹介します。
持ち玉の傾向と比較し、求める弾道を出しやすいシャフト選びの参考にしてください。
ただし、スイングのリズムや切り返しの早さなどにより、一般的な特徴とは逆のケースが合う場合もあるので注意しましょう。
手元調子のシャフトが合う人
最も手元側がしなるタイプ、いわゆる超手元調子に向いているのは、トップでタメを作る感覚を掴みたい方です。
クラブでタメを作れるようになると、ボールに強いエネルギーをぶつけることができ、飛距離アップが期待できます。
手元に近い部分がしなる手元調子は、初心者でも簡単にクラブにタメを作れるので、この感覚を覚えるのにも効果的です。
切り返しでタメを解放するように振り下ろすことで、ボールを叩くスイングを身に付けやすいシャフトといえるでしょう。
先調子のシャフトが合う人
先調子のシャフトが合うのは、ヘッドを走らせてボールをつかまえたい方です。
インパクトでヘッドが返りやすいため、クラブが振り遅れてスライスしてしまう方に向いているでしょう。
また、弾道が高くなりやすいので、ヘッドスピードに自信のない方や女性にもおすすめです。
弾道が高くなることによって飛距離が伸びるケースも多いので、飛距離アップを狙いたい初心者の方にも向いているでしょう。
中調子のシャフトが合う人
中調子は、シャフト全体が均一にしなるため、どんな人にも合いやすいシャフトです。
初心者の方は、まずは中調子のシャフトを使うことで、正しいスイングの基礎を身に付けられます。
ヘッドを走らせる、タメを作る、弾道に高さを出すなどの基本を身に付けつつ、ショットに安定感を求める場合におすすめです。
一方、現在中調子を使っていて弾道が安定しない場合は、ほかの特徴を持つシャフトを使ってみましょう。
元調子のシャフトが合う人
元調子のシャフトはヘッドのしなりが少ないため、左へひっかけたり、フックが強すぎたりする方に向いています。
さらに、ヘッド側のしなりが少ないことから、弾道をコントロールしたい場合にも有効です。
ドライバー使用時に、インパクトで叩いて飛ばすような中級者以上に合うシャフトといえるでしょう。
また、弾道が高くなりすぎて飛距離をロスしてしまう方にもおすすめです。
一方で、ボールをつかまえにくくなるため、スライスなどボールが右に曲がる方にはあまり向いていません。
さらに、ある程度のヘッドスピードがないと弾道に高さが出ないので、スイングが安定している中・上級者に向いているシャフトです。
アイアンやドライバーなど各クラブでシャフトの調子(キックポイント)は合わせるべき?
シャフトの調子はアイアンやドライバーなど、すべてのクラブで合わせたほうがよいのでしょうか。
調子を合わせるかバラバラにするか、それぞれにメリット・デメリットがあります。
まず、調子を合わせるメリットは、スイングのリズムを揃えられることです。
すべてのクラブで同じスイングができるので、ミスショットのリスクを下げられます。
また、スイングリズムが一定になることで、適正なロフト角でインパクトしやすくなる点もメリットです。
フェアウェイウッドやアイアンとの距離の隙間を、スムーズにつなげられるでしょう。
デメリットは、弾道の細かい調整がしづらいことです。
クラブによって左右にばらつきがある場合は、スイングで調整することになります。
一方、シャフトの調子をバラバラにする場合のメリット・デメリットは、調子を合わせた場合とは逆になります。
弱点を補うようなシャフトを使えますが、切り返しのタイミングなど、クラブごとにスイングを変える必要があるため、ミスの少ない上級者向きの方法といえるでしょう。
シャフトの調子を合わせるか変えるかは、個人のレベルや好みによって考えるのがポイントです。
【クラブ別】シャフトの調子(キックポイント)を選ぶコツ
シャフトの調子はクラブによって選び方が変わるのでしょうか。
ここでは、クラブごとの特性を踏まえた、シャフトの調子選びのコツを解説します。
アイアン用シャフトの調子(キックポイント)
アイアン用のシャフトは、方向性を安定させるための調子選びが重要です。
キックポイントの特徴を踏まえ、左へひっかけることが多い場合は元調子を、右へボールが曲がる場合は先調子を選ぶとよいでしょう。
ただし、番手ごとに調子を変えるのはおすすめしません。
「左へ飛ぶことが多いショートアイアンだけ元調子にする」というのは、スイングリズムを崩す原因となるためやめておくのが無難です。
すべての番手で同じスイングができるシャフト選びを心がけましょう。
また、アイアン用のシャフトにはカーボンとスチールがあります。
一般的に、カーボンのほうがしなりが強くなるため、方向性がばらつきやすいです。
女性やシニアの方でも使える軽量スチールシャフトもあるので、調子を変えても改善されない方は、こういったスチールシャフトを検討するのもよいでしょう。
ドライバー用シャフトの調子(キックポイント)
ドライバーはできるだけ遠くへボールを飛ばすためのクラブなので、適度な高さが出せて、方向性も安定させられるシャフトが求められます。
高さを出したい場合や、つかまった強いショットを打ちたい場合は、先調子のシャフトがおすすめです。
逆に、ボールが吹け上がったり、つかまりすぎてひっかけが出たりする場合は、元調子のシャフトがよいでしょう。
ドライバーは最も長さのあるクラブであるため、弾道のばらつきが顕著に現れます。
スイングが安定していないためにどんな弾道になるか分からない場合は、まずは中調子のシャフトで自分の持ち玉を把握するのがおすすめです。
ユーティリティ用シャフトの調子(キックポイント)
ユーティリティはロングアイアンの代わりとして使うケースが多いため、ある程度飛距離を出せるような調子のシャフトを選ぶのがポイントです。
もともとユーティリティは低弾道になりやすいクラブですが、低すぎても飛距離ロスにつながります。
弾道に高さを出したい場合は、先調子のシャフトがおすすめです。
強いショットを打ちたい方にも先調子が向いています。
反対に、ボールがつかまりすぎて左へ飛ぶ場合は、元調子がよいでしょう。
ユーティリティはつかまりをよくするため、構えたときにフェース面が左を向く作りでできていることが多いようです。
スイングを変えてもひっかけが出る場合は、元調子のシャフトに交換することで改善することもあります。
フェアウェイウッド用シャフトの調子(キックポイント)
フェアウェイウッドは、高い弾道で飛距離を出せるクラブであるため、ティーショットやセカンドショットでの出番が多くなります。
高い弾道でショットできれば、グリーン上でボールを止めることも可能です。
ウェアウェイウッドで高さを出したい、飛距離を稼ぎたいという場合は、先調子のシャフトが向いています。
逆に、ボールが吹け上がりすぎて距離が出ない場合は、元調子のシャフトがよいでしょう。
また、フェアウェイウッドでトップすることが多い場合は、クラブのタメが作れていない可能性があります。
この場合も、トップで自然とタメを作りやすい元調子のシャフトがおすすめです。
ウェッジ用シャフトの調子(キックポイント)
ウェッジの調子は、アイアンのシャフトと揃えるのが基本です。
ウェッジはアプローチショットだけでなく、3打目・4打目などのフルショットにも使います。
このときアイアンと異なる調子のシャフトを入れていると、スイングのフィーリングが安定しなくなり、ミスショットの原因となるかもしれません。
また、アプローチショットでは、シャフトのしなりを使う必要性が少ないため、あえて調子を変えるメリットは少ないでしょう。
基本は、アイアンと同じ調子のシャフトを使うのがおすすめです。
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シャフトの調子はスイングに影響を与えますが、種類が豊富なため自分に合うタイプを見つけるのは難しいもの。また、シャフトの交換には数万円以上の費用もかかります。
自分に合ったシャフトの調子を選ぶには、プロに相談するのが確実です。
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