ゴルフ初心者にとって、「スイング時に体が突っ込んでしまう」悩みは多くみられます。
頭や肩が前に出たり、体全体が目標方向へ流れてしまうと、スイングバランスが崩れ、ミスショットが頻発します。こうした突っ込みの動きは、正しい体重移動や軸の安定ができていないことが主な原因です。
今回は、突っ込みが起きる具体的な原因と、改善につながる実践的なポイントをわかりやすく解説します。

ゴルフで突っ込みが起きる原因
ゴルフスイングで起こる「突っ込み」は、さまざまな要素が絡み合って生じます。頭や肩、膝、腰など、どの部位が前に出るかによって、フォームの乱れ方やミスの傾向も異なります。
ここでは、代表的な突っ込みのパターンと、それぞれの原因・特徴を解説します。
頭が突っ込む・左に流れる場合
初心者によくみられるのが、インパクトに向けて力を入れすぎるあまり、頭が正面やターゲット方向にズレてしまうケースです。これは、体の軸が安定していないことが原因で、上半身が先に動き出すことで発生します。
加えて、下半身の踏ん張りが不十分だと体重移動が不安定になり、姿勢が崩れやすくなります。その結果、スイング全体のバランスが乱れ、突っ込みにつながってしまいます。
右肩・上半身が突っ込む場合
腕の力で打とうとする意識が強すぎると、右肩や上半身が前に出やすくなります。本来、スイングは下半身主導の回転が基本ですが、上半身主導になると軌道が乱れ、インパクトの再現性も低下します。
特に初心者は、体重移動が不十分な状態で振ることが多く、スライスやダフリといったミスを誘発しやすくなります。
左右の膝や腰が前に出る場合
スイング中に膝や腰がボール方向へ突っ込むと、体の軸がターゲット方向へ流れ、スイングの安定性が損なわれます。これは、インパクトで強い力を出そうとする意識が先走りやすい初心者に多くみられる動きです。
下半身が不安定なままだと膝や腰が先行してしまい、スイングプレーンが崩れる原因になります。その結果、トップやダフリといったミスショットが出やすくなります。
体全体が突っ込む・前に出る場合
上半身と下半身が同時にターゲット方向へ流れてしまうと、体全体が突っ込む形になります。これは、ボールを当てたいという意識が強すぎることで、頭・肩・腰・膝すべてが一斉に目標方向へ動いてしまうことが原因です。
このような突っ込みは、体幹の使い方が弱いことや下半身の支えが不十分であることが背景にあります。スイング軸が崩れ、体重移動もうまくいかず、ミスショットにつながりやすくなります。
【補足】ゴルフの突っ込みと体重移動の違いは?
ゴルフにおける「突っ込み」と「体重移動」は、似ているようで本質的に異なる動きです。
突っ込みとは、スイング中に体の一部または全体が意図せず目標方向へ流れてしまう現象を指し、軸やバランスの崩れを招きます。
これに対して、体重移動は後方から前方へと重心をスムーズに移動させる正しい動作です。
しかし、初心者の場合、この違いを理解しないまま体を前(ターゲット方向)に出そうとし、結果として突っ込みの動きになってしまうケースが少なくありません。
安定したスイングを実現するためには、上半身や頭を前(ターゲット方向)に出さず、下半身を起点とした自然な回転と体重移動を意識することが重要です。
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ゴルフの突っ込みにより起こる主なミスショット
スイング中に体がターゲット方向へ突っ込むと、フォームが崩れるだけでなく、さまざまなミスショットの原因にもなります。特に軸がターゲット方向へ傾くと、インパクトの精度が下がり、狙った方向とはまったく異なる方向へボールが飛んでしまうことも……。
ここでは、突っ込みによって発生しやすい代表的なミスショットと、それぞれの特徴について解説します。
スライスやプッシュアウトなどの右方向へのミス
突っ込みによってフェースが開いた状態でインパクトを迎えると、スライスやプッシュアウトといった右方向へのミスにつながります。特に、上半身が先行してターゲット方向に出るとスイング軌道がアウトサイドインになりやすく、ボールをカットする形で打ってしまうため、右へ大きく外れることが増えます。
このような現象は、初心者によくみられるもので、スイング全体に力みがあるとタイミングがズレやすく、ミスを誘発しやすくなります。
ダフリ・トップなどインパクトの乱れ
突っ込み動作があると、インパクトの位置やタイミングがズレてしまい、ダフリやトップといった打点のミスが出やすくなります。
たとえば、頭や上半身がターゲット方向に出ると、クラブが地面の手前を叩いてしまい「ダフリ」に。また、体が浮き上がるとボールの上部を打つ「トップ」になってしまいます。どちらも、体重のかかり方やスイング軸のズレが原因です。
チーピン・フック・シャンクといった左方向の極端なミス
突っ込みによるフェースコントロールの乱れは、左方向への極端なミスにもつながります。特に左肩が強く前に出ると、クラブフェースが過剰に閉じた状態でインパクトを迎えやすく、強いフックやチーピンを引き起こす要因になります。
また、フェースの開閉タイミングが狂うと、ヒール側でボールを打ってしまい「シャンク」が出ることも。
いずれのミスも、回転軸がブレることでフェースの安定性が損なわれているのが共通しています。
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ゴルフの突っ込み防止法
突っ込みを防ぐには、「なぜ体が前に出てしまうのか」を理解し、正しい動きを体に覚えさせることが大切です。
ここでは、初心者でもすぐに取り組める突っ込み防止のポイントを紹介します。
スイング中の体の軸を安定させる意識をもつ
突っ込みを防ぐ基本は、体の軸を安定させることです。初心者はインパクトに意識が集中しすぎて、上半身が左へ流れやすくなります。
改善には、背骨を軸に回転する感覚を養い、頭の位置や腰の高さをできるだけキープしながらスイングすることが効果的です。加えて、下半身でしっかり踏ん張り、体幹を使うことで、力みに頼らず自然な体重移動がしやすくなります。
またスイング幅を少し小さくし、コンパクトに振るのもおすすめです。軸がブレにくくなり、突っ込みを防ぎやすくなります。
正しい体重移動で前傾姿勢をキープする
突っ込みを防ぐには、体重移動の流れも重要です。ボールに当てようとする意識が強すぎると、体が左に出て姿勢が崩れがちです。
特に、体重が早い段階で前足に乗ると、上体が突っ込みやすくなります。バックスイングで右足にしっかり体重を乗せ、ダウンスイングで自然に左足へ移していく動きが理想です。
体重移動が安定すると、無理な前傾崩れを防げるだけでなく、体の回転とも連動しやすくなり、軸の安定したスイングにつながります。
ボールから目を離さず視線を安定させる
突っ込みの原因として見落としがちなのが、視線のブレです。初心者に多いのが、インパクト直前にボールの行方を追ってしまい、顔や頭が早く動いてしまうパターン。
こうした動きは、体がターゲット方向に流れるきっかけとなり、スイング軸の崩れにつながります。
改善には、インパクトの瞬間までしっかりとボールを見続ける意識が効果的です。視線が安定すれば頭の位置もブレにくくなり、前傾姿勢も保ちやすくなります。
慣れないうちは、打ったあともボールがあった位置を見続けるくらいの意識で練習してみましょう。
ゴルフの突っ込む癖を直す方法
突っ込みを放置したままでは、スイング軸がブレやすくなり、フォームも乱れてミスショットが増えてしまいます。
ここでは、スイングテンポの調整や体幹を使った動作の意識づけなど、突っ込み癖を根本から改善するための具体策を紹介します。
スイングのリズムとテンポを見直す
突っ込みを防ぐには、スイング全体のテンポを一定に保つことが大切です。特に初心者は、ダウンスイングで急加速すると体がターゲット方向に突っ込みやすくなります。
対策として、「1・2・3」とリズムを数えながら振ると、余計な力が抜けてスイングが安定します。始動からフィニッシュまで一貫した流れを意識しましょう。
体の動きをスローで確認して修正する
スイングをゆっくり行うことで、通常では見逃しやすい動作の乱れをチェックできます。
特にインパクト直前の頭・肩・腰の動きに注目し、突っ込んでいないか丁寧に確認しましょう。体の動きを視覚的に把握することで、修正すべきポイントが明確になります。
体幹主導のスイングに切り替える
突っ込み癖を根本的に直すには、体幹を主軸とした動きに切り替える意識が欠かせません。手だけ、上半身だけで打とうとすると軸がブレやすく、突っ込みにつながります。
まずは腹筋や背筋など、体幹の筋肉で体を回す感覚を身につけましょう。下半身との連動も意識しながら体幹主導で回転すれば、自然と体重移動がスムーズになり、スイングの再現性も高まります。
はじめは小さな振り幅で練習し、感覚がつかめたら少しずつスイングを大きくしていくとよいでしょう。
ゴルフの突っ込みを防止する・直すためのドリルや練習器具
スイング中の「突っ込み」は、意識だけで修正しようとしてもなかなか改善しにくい動きです。正しいフォームを体に覚えさせるには、ドリルや練習器具を使った反復練習が効果的です。
ここでは、突っ込みの防止・修正に役立つ練習法とアイテムを紹介します。
左足を元に戻す動作で突っ込みを抑えるドリル
このドリルでは、バックスイング後に左足を1歩踏み出し、ダウンスイングのタイミングで元の位置に戻します。この動作を繰り返すことで、体がターゲット方向に流れるのを防ぎ、軸を中心とした回転動作が自然に身につきます。
ポイントは、踏み出す勢いをそのまま前方に使わず、左足を引き戻すことで体幹の回転を引き出すこと。正しい体重移動とバランス感覚を養うのに効果的です。
スイング軸を意識するための円運動トレーニング
スイング軌道を整えるには、クラブヘッドが円を描くように動かす「円運動トレーニング」が効果的です。背骨を軸に体全体を回転させ、クラブヘッドが滑らかに体の周りを通過する感覚を養いましょう。
鏡の前で素振りを行い、頭や腰の位置がズレていないかをチェックしながら練習すると、より効果的です。特に初心者は、力任せのスイングから脱却し、体幹を使った安定した動きが身につきやすくなります。
腕の動きを矯正する「ゴルフスイング矯正アームバンド」
初心者に多い「手打ち」や「脇の開き」は、突っ込みの原因にもなります。そうした動きを抑えるのに役立つのが「ゴルフスイング矯正アームバンド」です。
両腕の間に装着することで、腕の間隔を一定に保ち、脇が開くのを防止。体の回転を使った自然なスイングがしやすくなります。突っ込みやすい方には特におすすめで、腕と上半身の連動がスムーズになり、無駄な力みも軽減されます。
視覚的にスイング軌道を確認できるため、反復練習の質も向上します。安定したスイングを身につけたい初心者にこそ、試してほしいアイテムです。
初心者に多い突っ込み……ステップゴルフで効果的に改善しよう!
ゴルフ初心者にとって、スイング中の「突っ込み」は多くのミスショットを招く大きな要因です。体の一部が前に出ると軸がブレて、スイング全体のバランスが崩れてしまいます。
本記事で紹介した動きや意識づけを実践するには、正しいフォームを理解し、それを身につけるための反復練習が欠かせません。とはいえ、自己流ではなかなか改善しにくいのも事実です。
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