ドライバーは難易度が高く、苦手意識を持ちやすいクラブのため、必ずしも使う必要あありません。
そこで本記事では、あえてドライバーを使わない戦略に注目し、そのメリットや代わりのクラブ選び、気になる「せこい」といった声への対応まで詳しく解説します。

ゴルフでドライバーを使わない選択はあり
ゴルフのティーショット=ドライバーという先入観を持っている人も多いですが、使わないことで安定したプレーにつながるケースもあります。まずは、実態についてみていきましょう。
ドライバーを使わないプロも
昨今のプロゴルフでは、ショートホールを除くすべてのホールでドライバーを使うプロは多くありません。スコアを伸ばす欲を抑えてリスクを回避する考え方は、プロゴルファーの中では当たり前の考え方です。
たとえば、タイガー・ウッズは全盛期から「狭いホールではドライバーを使わない」ことで知られており、フェアウェイウッドやロングアイアンを使って正確なティーショットを重視するスタイルを取り入れていました。
また、渋野日向子選手も試合によってはユーティリティを選ぶことがあり、飛距離よりも方向性やミスの少なさを優先した判断がうかがえます。
1打がアマチュアゴルファーの非にならないほど重いプロゴルファーは、マネジメントの一環として当たり前にドライバー以外のティーショットを選択しています。
反対にウッドはドライバーだけという人も
一方で、フェアウェイウッドは使わず、ドライバーだけをウッドとしてバッグに入れている人もいます。これは「ドライバー以外のウッドが打ちづらい」「練習量が限られていてドライバー以外に慣れていない」など、人によりさまざまな理由があります。
特に初心者の場合、クラブの本数が増えるほど使いこなすのが難しく感じられるため、ウッドはドライバーのみに絞るという選択も珍しくありません。
ドライバーの扱いに不安がある方は、ほかのクラブを試してみることでプレーが楽になることもあります。
ゴルフでドライバーを使わないメリット
ドライバーを使わずにプレーすることで、ショットの安定感が増し、フェアウェイにボールを運びやすくなる場面もあります。
ここではその具体的なメリットを見ていきましょう。
曲がりにくくフェアウェイに残しやすい
ドライバーは飛距離を出す反面、芯を外すと左右に大きく曲がりやすく、ミスの幅が最も大きいクラブです。一方、シャフトが短めのフェアウェイウッドやユーティリティは、方向性が安定しやすい特徴があります。
ティーショットでプレッシャーを感じやすい人にとっては、扱いやすいクラブに替えるだけでもフェアウェイキープ率が上がり、スコアにも良い影響が出るでしょう。
スイングに迷いが出にくくなる
ドライバーはヘッドが大きく、クラブの長さもあるため、スイングに迷いやすいクラブの1つです。特に「飛ばさなければ」という意識が強くなりすぎると、フォームが崩れたり、力みが出たりしてミスをする可能性が高まります。
一方、フェアウェイウッドやユーティリティは、振りやすさや構えやすさ、曲がり幅の小ささによる安心感があり、ドライバーよりも気持ちよく振れる方が多いでしょう。
結果としてスイング中の判断に迷いが生まれにくくなり、自信を持って打てることがプレー全体の安定につながります。
ドライバーより5Wのほうが飛ぶ人もいる?
ドライバーの飛距離に悩んでいる人の中には、「5Wのほうが安定して飛ぶ」と感じているケースもあります。、スイングが安定しない初心者は、5Wのほうがヘッドの芯に近い位置でインパクトができ、結果として飛距離が伸びます。
また、ドライバーに比べてスピン量が安定しやすくボールが上がりやすいため、トータルの飛距離が逆転しても不思議ではありません。
実際の飛距離はクラブの性能だけでなく、スイングの相性にも左右されるため、1度比較してみる価値はあるでしょう。
長い距離が残っているときに使いたい5w(5番ウッド)と3ut(3番ユーティリティ)。どちらがミスが少なく使いやすいのか、クラブ選択に悩んでいる初心者の方も多いのではないでしょうか。この記事では、5wと3utの違いや特徴、コースでの使[…]
ゴルフでドライバーを使わないのは「せこい」と言われる理由
ドライバーを使わずにプレーすることに対して、「飛ばさず安全にいくだけなんてせこい」と感じる人もいます。
たとえば、アマチュアゴルファーのプライベートラウンドでは、ドライバーを使わないことが逃げの姿勢と受け取られる場合もあるようです。また、同伴者の視線が気になり、「マナー違反では?」と不安になる場面に遭遇した方もいるのではないでしょうか。
ただし、ルール上ドライバーの使用は義務ではなく、戦略の一環としてクラブを選ぶことはまったく問題ありません。むしろ自分の得意なクラブで確実に攻める判断は、スマートな選択ともいえます。
ゴルフでドライバーを使わないティーショットについて
ドライバーを使わないティーショットでは、どのクラブを選ぶかがスコアメイクの鍵になります。
中でもスプーン(3W)は、飛距離と方向性のバランスが良く、多くのゴルファーに選ばれています。また、球が上がりやすく安心感があるという理由で、クリーク(5W)や7Wを使う人もいるでしょう。
また、ユーティリティやロングアイアンで確実にフェアウェイを狙う選択もあります。自分のスイングや得意な番手・ホールごとの特徴に応じてティーショットのクラブを選び、無理のないプレーにつなげましょう。
ドライバーなしのクラブセッティング例
ドライバーを使わない場合でも、クラブの組み合わせ次第で快適にラウンドできます。下記は一例ですが、飛距離のバランスや使いやすさを考慮したセッティングです。
自分の得意な番手を中心に組み立てれば、クラブ選びに迷いにくくなり、プレーの安定にもつながります。
クラブ | 使用目的・ポイント |
---|---|
3W(スプーン) | ティーショット用。飛距離と方向性のバランスが良い |
5W(クリーク) | フェアウェイからの長距離ショットに活躍 |
UT(22〜26度) | ラフや距離のあるパー3、2打目の安定性に優れる |
6I〜PW | 通常のアイアンショット用。方向性を重視しやすい |
AW・SW | アプローチ・バンカー用。距離感と高さを調整しやすい |
パター | グリーン上の最終クラブ |
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ゴルフでドライバーを使わない戦略がおすすめな人や状況
ドライバーに苦手意識がある人や、安定感を重視したい場面では、あえてドライバーを使わない選択が効果的です。
- 方向性のブレがスコアに響く人
- スイングがばらつきやすい初心者
- ティーショットで緊張しやすい人
自分に当てはまるかを確認しながら読んでください。
方向性のブレがスコアに響く人
ドライバーを構えたときにスライスやOBが続いてしまうと、自信を失いやすくスコアにも大きく影響します。特にスイングの再現性や方向性が安定していないうちは、少しのズレが大きなミスにつながりがちです。
そんなときは、ティーショットのクラブを見直すのも1つの手段です。フェアウェイウッドやユーティリティのほうが芯に当たりやすい分、方向のブレも抑えやすくなります。飛距離にこだわらず、まずはフェアウェイに運ぶ意識を持つことで、落ち着いて次の1打に臨めるようになります。
スイングがばらつきやすい初心者
ドライバーを持つとスイングの感覚が毎回違ったり、ミスショットが目立ったりすると感じる方は、クラブ選びを見直すことで状況が改善します。
スイングが固まりきっていない初心者のうちは、長くて操作の難しいドライバーを無理に使うよりも、自分のリズムで振りやすいクラブを使うほうがプレーの安定につながります。構えやすくて方向性を狙いやすいクラブを選ぶことで、打ち出すラインがイメージしやすくなり、スイングの再現性も高まるでしょう。
ティーショットで緊張しやすい人
ティーショットになると体が固まってしまったり、思い切って振れなくなったりする方は少なくありません。特に最初の1打は、周囲の視線や緊張感から普段以上に力みが出やすい場面です。そんなときは、構えたときに安心できて、スイングのテンポが整いやすいクラブを選ぶと、気持ちの余裕が生まれます。
自分にとって振り慣れていてリズムが崩れにくいクラブをティーショットに使うだけでも、いつもより落ち着いたスタートが切れるでしょう。緊張しやすい人ほど、自分がスムーズに振れる道具を選ぶことが大切です。
ゴルフでドライバーを使わない選択と目標スコアについて
ドライバーを使わずにスコアアップを目指すには、状況に応じたクラブ選びや戦略がポイントです。ここでは、目標スコア別に考えたいコースマネジメントのヒントを紹介します。
90切りを狙うためのコース戦略
スコア90切りを目指す段階では、大きなミスを減らしながら確実にパーかボギーでまとめる意識が重要です。ドライバーにこだわらず、安定したクラブで狙える範囲を見極めることがポイントです。
具体的には、次のような工夫が役立ちます。
- ティーショットはフェアウェイキープを最優先し、3WやUTを使う
- パー5は無理に2オンを狙わず、3打目勝負に切り替える
- 無理なグリーン狙いは避け、花道を活かした安全ルートを選ぶ
- セカンドショット以降は自分の得意距離を残すマネジメントを意識する
飛距離よりもリスク回避を重視した考え方が、安定したスコアにつながります。
100切りを安定させるクラブ選び
スコア100切りを安定させるためには、ミスを減らせるクラブ選びが重要です。扱いやすさや状況ごとの使い分けを意識することで、スムーズなスコアメイクにつながります。
代表的なクラブの特徴と活用場面を以下にまとめました。
クラブ名 | 特徴 | 主な使いどころ |
---|---|---|
5番ウッド | やさしく打てて、フェアウェイでも安定感あり | ティーショットやパー5の2打目 |
ユーティリティ | 芝の上からでも打ちやすく、方向性が良い | 距離を稼ぎたいあらゆる場面 |
7番アイアン | スイングが安定しやすく、方向性も狙いやすい | パー3や2打目での確実な前進 |
ショートウッド | 軽く振れて、飛距離も出しやすい | ドライバーの代わりや長距離の対応 |
打ち慣れたクラブを中心に据えたセッティングにすることで、結果としてスコアの安定につながるケースが多く見られます。
ゴルフでスコア100を切ることは、多くのアマチュアゴルファーにとって最初の大きな目標です。安定したスイングや戦略的なマネジメント、そして冷静なパットが求められる中で、「あと少し届かない」と感じている人も少なくないでしょう。本[…]
【FAQ】ゴルフでドライバーを使わないことに関するよくある質問
ドライバーを使わない選択に戸惑いを感じる人もいるかもしれません。プレー中のマナーや周囲への配慮を含め、よくある疑問について解説します。
コンペでドライバーを使わないのはあり?
コンペに参加すると、まわりの目や流れを気にしてドライバーを使うか悩む場面がでてきます。ただし、クラブ選択はルール上自由でスプーンやユーティリティを使っても問題ありません。
大切なのは、自分のペースで確実にプレーすること。ドライバーでOBを繰り返すよりも、確実にコース内に収めたプレーファーストにもつながります。
ホールごとにドライバーの使用可否を変えてもよい?
ドライバーの使用をホールごとに調整するのは、ごく自然なプレースタイルの1つです。風向きやフェアウェイの幅、OBの位置など、状況に応じて使い分けることでスコアメイクもしやすくなります。
周囲からの印象が気になる場合は、ティーグラウンドであらかじめクラブを構えておくと流れもスムーズです。すべてのホールで同じクラブに固執せず、自分にとっての打ちやすさを優先した判断が安定したプレーにつながります。
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ドライバーをあえて使わずに、安定感を重視したプレーを選ぶのは、多くのゴルファーにとって賢い戦略の1つです。特にスライスに悩んでいる方や、100切りを目標にしている方にとっては、ティーショットでのミスを減らし、リズムを崩さずにラウンドできる安心感があります。プレッシャーのかかる場面でも、無理をせずマネジメント重視で進めれば、スコアも安定しやすくなります。
ただし、戦略の引き出しを増やすには、やはり実戦の経験が不可欠です。練習場ではなかなか身につかない“本番ならではの判断力”や“状況に応じたクラブ選び”を体感するためには、コースでの練習が大きな意味を持ちます。
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