ゴルフでスコアを伸ばすには、飛距離やショットの安定性だけでなく、パット数の管理も大切です。実際、パットは1ラウンドの総打数のうち約4割を占めるともいわれており、いかに少ない打数でカップインできるかがスコアを左右します。
今回は、スコア別に目指すべきパット数の目安をはじめ、平均パット数の計算方法や、パット数を減らすための具体的な練習法までを詳しく解説します。
ゴルフのパットとは
パットとは、グリーン上でカップにボールを沈めるためのショットのことです。打つ力加減や方向のわずかな違いで結果が変わるため、繊細なコントロールが求められます。1ホールの最後を締めくくる、大事な1打といえるでしょう。
特にパットの打数は、スコア全体の4割近くを占めるともいわれています。スコアを安定させたいなら、パッティングの精度を少しずつ高めていくことが近道になりそうです。
パット数とスコアの関係
スコアの中でパットが占める割合は意外と大きく、たとえばスコアが100なら約40打、90なら36打ほどがパットによるものです。
スコアを安定させるためには、まずすべてのホールで2パット以内に収めることを目指すのが基本です。仮に18ホールすべてで2パットなら、合計は36パットになります。100を切ることを目指すゴルファーにとっては、このレベルをキープできるかが重要なポイントといえるでしょう。
また、パットの回数を減らすには、カップに近づけるアプローチの精度も影響します。これはボールがカップから遠いほど、2パット以内に収めるのが難しくなるためです。アプローチでボールを寄せる力をつけることで、パットの成功率も上がっていきます。
加えて、どのルートで攻めるか、どこに落とすかといったコース全体の組み立ても重要です。
パターの技術だけに頼るのではなく、1打1打の流れを意識してプレーすることが、着実なスコアアップにつながります。
パット数の数え方
パット数とは、ボールがグリーンに乗ってからカップインするまでに要した打数のことです。スコアカードには通常、打数の横にパット数を記入する欄が設けられており、各ホールの終了後にその数を記録しておきます。
注意したいのは、グリーンの外からパターで打った場合、その打数はパット数に含まれない点です。ただし、1度グリーンに乗ったボールがグリーン外に出た後の打数は一般的にパット数としてカウントされます。
また、合計パット数はアウト（1〜9番）とイン（10〜18番）に分けて記入し、最終的にラウンド全体のパット数を集計します。
平均パット数とは
平均パット数は、1ホールあたりに要したパット数の平均値です。
一般的に、スコアの約40％をパットが占めるとされており、スコアアップを目指すうえでは、この平均値をいかに下げるかが重要です。プロゴルファーでは平均1.7前後、アマチュアでは2.2〜2.5程度が1つの目安となるでしょう。
平均パット数を把握することで、自身のパッティング技術を客観的に分析でき、練習の方向性も明確になります。
さらに、スコアカードに毎ホールのパット数を記録する習慣をつけると、ラウンド後の振り返りがしやすくなり、改善点の発見にもつながります。
平均パット数の計算方法
平均パット数の計算方法はシンプルで、18ホールすべてのパット数を合計し、ホール数で割るだけです。
たとえば、36パットでラウンドした場合、平均パット数は「36 ÷ 18 ＝ 2.0」となります。
【プロ・アマ】パット数の目安
ここでは、男子プロ・女子プロ・アマチュアそれぞれの平均パット数を紹介し、理想とすべき数値や上達のための目安を具体的に解説していきます。
男子プロ
男子プロゴルファーの平均パット数は、1ホールあたりおよそ1.7前後です。中には、日本男子ツアーの上位選手で平均1.65を下回るケースもあり、18ホール換算では30パットを下回る水準となっています。
これは1パットで沈める確率が極めて高いことを示しており、パッティング技術の高さに加え、アプローチやショットの精度も関係しています。
特に、プロが挑むグリーンは速さや傾斜の厳しい設計となっているため、その中で平均1.7を維持しているのは驚異的といえるでしょう。
女子プロ
女子プロゴルファーの平均パット数は、1ラウンドあたり28〜29台と、こちらも非常に高い精度を誇ります。2025年のデータによると、青木瀬令奈選手と山下美夢有選手はいずれも28.38という数値を記録し、安定して30パットを大きく下回っています。
この優れた数値は、パッティング技術の高さはもちろん、アプローチやアイアンショットでピンに寄せる能力の高さがあってこそ実現できるものです。
仮にアマチュアと同程度のパーオン率でプレーした場合、女子プロは25前後のパット数になるともいわれています。
参考：平均パット数（1ラウンド当たり）｜日本女子プロゴルフ協会
アマチュアゴルファー
アマチュアゴルファーの平均パット数は、1ラウンドあたりおよそ35〜40回前後とされています。アマチュアはスキルのレベルによって平均値に差が出ますが、合計スコアが良い人ほどパット数も少なくなる傾向です。
たとえば、スコア100を目指す場合は40パット、90を目指すなら36パットが1つの目安とされます。中でも「30パット切り」は、シングルプレーヤーの指標ともいわれる高い目標ですが、決して手が届かないわけではありません。
ステップゴルフではスイングの基礎はもちろん、コースマネジメントやスコアメイクの考え方など、総合的にゴルフがうまくなるようなサポートをしております。
【スコア別】パット数の目安
ここでは、スコア100切り・90切り・80切りを目指すゴルファーに向けて、それぞれのレベルで目標とすべきパット数や意識すべきポイントを具体的に紹介します。
100切り
スコア100切りを目指すゴルファーにとって、パット数の目安は「36パット以内」が1つの基準です。これは18ホールすべてを2パットで収める計算であり、平均パット数に換算すると2.0です。
実際には、3パットをいかに減らし、ショートパットを確実に沈められるかが重要なポイントになります。100切りを達成している多くのゴルファーは、アプローチとパッティングに重点を置いた練習を継続しています。
さらに、「全ホールをダブルボギーでOK」といったマネジメントの考え方を取り入れることで、過度なプレッシャーを避けながら安定したプレーにつながりやすくなります。特に、アプローチでは難易度の高いウェッジよりもミスの少ないパターを積極的に使うなど、グリーン周りでの無理のない戦略が2パット達成のカギです。
まずはパット数に意識を向け、すべてのホールで2パット以内に収める技術と戦略を磨くことが、100切りへの第1歩となるでしょう。
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90切り
スコア90切りのパット数の目安は、「32パット以内」が理想とされています。18ホールすべてを2パットで収めつつ、いくつかのホールで1パットが決まるレベルです。
全ホールをボギーで回ればスコアはちょうど90。つまり、90を切るにはボギーペースを安定して維持する力が必要だということです。特に、3パットを減らし、1メートル以内のショートパットを確実に沈める技術が必要になります。
また、グリーンに乗せるまでのマネジメントも重要。無理にパーオンを狙うよりも、ボギーオン（パーより1打多くグリーンに乗せる）を目標にすることで、リスクを抑えながらスコアを安定させやすくなります。
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80切り（70台）
スコア80切り、つまり70台でのラウンドを目指す場合、パット数の目安は「30パット以内」が理想です。プロに近い精度が求められるこのレベルでは、1パットの回数をいかに増やすか、そして3パットを極力ゼロに抑えることが求められます。
特に、グリーン周りのアプローチ精度や距離感の把握、そして1〜2メートルのパットを確実に沈める技術が不可欠といえるでしょう。
また、無理な攻めは避け、確実に寄せて2パット以内に収める“安全な選択”が、結果的にスコアの安定につながります。
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パット数を減らす方法
ここでは、パット数を減らすために押さえておきたい具体的な練習法やラウンド前の準備ポイントを紹介します。
3パットを防ぐために距離感を優先して狙う
3パットが起きやすいのは、最初の1打（ファーストパット）で距離感が合わず、2打目が長く残ってしまうときです。特に10メートル以上のロングパットでは、カップまでのラインよりも、まず距離感をしっかりつかむことが大切です。
ポイントは、ストロークの振り幅で強さを調整すること。手の感覚だけで打とうとすると毎回の距離にばらつきが出やすいため、振り幅を一定にする意識を持つと安定しやすくなります。
また、カップインを無理に狙いにいくよりも、カップの周り1メートル以内に寄せるつもりで打つのが効果的です。2打目が短ければ、それだけ気持ちにも余裕が生まれます。
朝の練習では、歩測とあわせて利き手でボールを転がす練習を取り入れてみましょう。自然と距離感がつかみやすくなります。さらに、ボールが何秒くらい転がるかをイメージしながら打つことで、感覚の精度も高まってきます。
大事なのは、常に1パットを狙いすぎないこと。確実に2パットで収めるつもりで打つほうが、結果的に3パットを減らす近道になります。
ショートパットを確実に沈める練習を継続する
1〜2メートルのショートパットを確実に決めないと、3パットのリスクが一気に高まるでしょう。
成功率を上げるには、毎日少しずつでも練習を続けることが大切です。まずは70〜80センチほどのごく短い距離から始めて、まっすぐ打ち出す感覚を体にしっかり覚えさせましょう。
あわせて、パターの芯でボールをとらえる練習や、ティーやコインなどの目印を使って打ち出し方向を確認する方法もおすすめです。ストロークは肩を軸にして振るよう意識し、手首の動きはなるべく抑えるようにしましょう。
また、パターを頻繁に変えるよりも、1本のクラブを使い続けたほうが感覚のブレを防げます。こうした地道な練習の積み重ねが、パットの安定につながり、スコアアップにもつながっていくはずです。
ラウンド前に練習グリーンで傾斜とスピードを確認する
ラウンド前に練習グリーンでタッチを確かめておくと、本番でのパットが安定しやすくなります。多くのコースでは、練習グリーンも本グリーンと同じように整備されているため、スピード感や打ち方を確かめるのにぴったりです。
当日のグリーンの速さや傾斜の強さを事前に知っておけば、実際のプレーで距離感を大きく外したり、ラインを読み違えたりするリスクが減ってきます。
おすすめなのは、スタート地点・中間地点・カップ周りの3か所で転がり方をチェックすること。それぞれのポイントでボールがどう曲がるか、どれくらい転がるかを見ておくと、本番でもイメージがしやすくなります。
順目や逆目といった芝の向きによっても転がりは変わるため、打ち比べて違いを感じておくと安心です。こうしたひと手間をかけることで、3パットのミスを減らし、スコアを安定させやすくなるでしょう。
パターの実践練習にはステップゴルフのコースレッスンがおすすめ
パターは、ゴルフスコアのおよそ4割を占めるといわれています。スコアを伸ばすためには、距離感を磨くロングパットの練習や、1〜2メートルのショートパットを確実に沈める練習が大切です。こうした日々の積み重ねが、着実に結果につながっていきます。
とはいえ、パターの感覚をしっかり身につけるには、やはり本番さながらの環境での練習が効果的です。実際のグリーンで傾斜や芝の速さを体感することで、インドア練習では得られない感覚が養われます。
そこでおすすめなのが、ステップゴルフのコースレッスンです。ほとんどのプランにパター練習の時間が組み込まれており、初心者からでも段階的にスキルを磨ける内容になっています。
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