ゴルフを「自然と闘うスポーツ」と表現することがあります。コースのうねりや木や池などはもちろんですが、風や雨などを相手にすることもあるからです。
この記事では、雨とゴルフをテーマに、中止基準やキャンセルについて、雨ゴルフの服装や打ち方のコツなど幅広く解説していきます。
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雨によるゴルフの中止基準・キャンセルについて
ほとんどの場合、ゴルフをプレーするためにコースを事前に予約するでしょう。あれこれプレーのことを考えながら当日を迎えることは楽しいものです。しかし天気予報でその日が雨だと分かったら一気にテンションが下がり、なかには「行きたくない」と思う人もいるのではないでしょうか。
またラウンドの途中で急な雨に見舞われることもあり、そんなときの中止基準があるのかも気になります。
雨が降ったときの中止基準は？
競技ゴルフの場合、多少の雨くらいではプレーを続行しますが、プライベートでゴルフをしていると雨で中止するかどうかは悩むものです。
アマチュアゴルファーにとってあまり関係ないかもしれませんが、ゴルフのルールでは「雨が何mm降ったら中止」というような明確な基準はありません。唯一「フェアなプレーに支障をきたす場合は中止」とあり、これを判断するのは競技委員です。
アマチュアの場合は競技委員などいませんので、現実的には同伴者を含めた個人の判断になります。降雨量との関係ですが1mm程度の雨であればプレーに支障がないので、中止するほどではないでしょう。
2ｍｍ〜3ｍｍの雨でもプレーはできるのですが、雨が嫌な方にとっては悩ましい降水量といえます。イメージとしては2mmの雨だと傘だけでなくレインウェアが必要になり、3ｍｍはしっかりとしたレインウェアが必要になり、初心者は中止したほうが無難だといえます。
降雨量が4mm以上の場合、「本降り」と表現される降り方なので、コース上のあちこちで水が浮き、プレーを諦めるべきレベルといえます。
ゴルフ場の判断でコースをクローズ（閉鎖）するかもしれません。ただ難しいことに、雨が一時的なものなのか、どれくらいで止む（あるいは弱まる）のかも考えて判断しなければなりません。
また、同伴者の中に多少の雨くらいではプレーを諦めない人がいた場合、その説得に骨を折る可能性もあります。
ゴルフ場のキャンセルは当日？前日？
雨が理由でゴルフ場の予約をキャンセルするとき、何日前までに連絡すればよいのでしょうか。
キャンセル時に考えたいことは3つあります。
1つはゴルフ場からの信頼を失わないかどうかです。特に予約が多く入る週末のキャンセルだとゴルフ場への影響も大きいので、できるかぎり早めの連絡がマナーといえるでしょう。少なくとも前日にはキャンセルが必要であり、当日の連絡は非常識に思われる可能性があります。
2つ目はキャンセルに伴うキャンセル料です。キャンセル料は時期や曜日によっても変わってきますが、ゴルフ場の規定通りに支払う必要があります。
3つ目は、同伴者は行くのに自分だけキャンセルするというのは、大人としてもゴルファーとしても避けるべきです。
ルールの厳しいゴルフ場だと4人1組でなければコースに出られないこともあり、1人欠けるとほかのメンバーに大きな迷惑と損害を与えてしまいます。
雨が理由だとキャンセル料はかからない？
雨が理由であれば、キャンセル料はかからないのでしょうか。
結論からいうと、雨が理由でキャンセル料が無料になる可能性は低いでしょう。
キャンセル料はゴルフ場によって異なり、なかにはキャンセル料がかからないゴルフ場もあります。
ただキャンセル料が発生するゴルフ場については、キャンセルするとゴルフ場が営業している限り理由がなんであれキャンセル料がかかります。つまり、雨だからという理由でキャンセル料が免除されることはありません。
雨ゴルフならではのメリット
晴天の下でプレーするゴルフが楽しいのは当たり前ですが、雨のゴルフにもメリットはあります。
プレーに大きく支障が出るほどの雨ではないという前提ですが、雨だからこそ得られるものもあるのです。
ここでは、雨ゴルフならではのメリットについて見ていきましょう。
雨のゴルフは難しいため、スキルアップにつながる
雨が降るなかでのゴルフは普段と違う状況でのプレーになるので、攻め方や考え方も変えなければなりません。つまり難易度が高くなるのです。
しかし、その状況を克服することでスキルアップするともいえるので、雨のコースに出ることは悪いことばかりではありません。
雨ゴルフではレインウェアを着て、移動中は傘をさしながら歩くなど、スイングにも影響を与える要素が多くなります。
また、コースが濡れていて地面が柔らかくなってくるとボールの滑りが悪くなるので、自分が出せるキャリーでコースマネジメントする必要があり、かなり頭を使うことになります。
雨ゴルフは空いている
晴天の下でゴルフをしたいのは誰もが同じで、雨の日は一定数のキャンセルが発生します。
雨でもプレーする側からすると、雨が降ることにより、普段よりゴルファーの少ないコースでプレーできるのです。
週末の晴れたゴルフ場だと後ろからくるパーティのプレッシャーを感じたり、一打ごとに前のパーティが遅いとイライラしたりするなどのデメリットがあります。
雨と引き換えにそんなストレスから解放されるのはある意味メリットといえるのではないでしょうか。
雨ゴルフが良い思い出になる
プレーだけではなく、後日ゴルフ仲間とするプレー談義もゴルフの楽しみ方の1つです。
良いスコアが出たときはもちろん、風雨に見舞われた中でのプレーなど苦労話も、後になると良い思い出になるものです。
また、プレー後にクラブハウスで冷えた体を湯船に浸かりながら温めることも、普段ではなかなか経験できないことだといえるでしょう。
雨の日のゴルフに特別ルールはある？
降雨量にもよりますが雨の日にゴルフをしていると、フェアウェイやバンカーなどに水たまりができていることがあります。これを一般的にはカジュアルウォーターといっていましたが、2019年のルール改正でテンポラリーウォーターと定義され救済措置が決められました。
スルーザグリーン（フェアウェイとラフ）上のテンポラリーウォーターにボールが入る、あるいはアドレスしたとき足が入る場合、無罰でホールに近づかないよう1クラブレングス以内でボールをドロップ（救済エリア内で膝からボールを落とすこと）ができます。
またバンカー内でも無罰でバンカー内のニアレスポイントにドロップでき、あるいは1打罰でカップとボールを結んだバンカー外の後方線上へドロップできます。
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雨の日のゴルフに適した服装や持ち物
雨ゴルフはいつもと違う状況なので、雨に備えた準備が必要になります。予想外の急な雨なら仕方ないですが、それも考慮して普段から雨対策をしておくと余裕ができます。
ここからは雨の日のゴルフに適した服装や持ち物などについて紹介していきます。
レインウェアならなんでもいい？
ある程度の降雨量になると傘だけでは濡れてしまうので、レインウェアを着るのが一般的です。
服装と同じようにレインウェアにもマナーや決まりがあるのでしょうか。
基本的にはレインウェアに決まりはありません。雨を防ぎ体が濡れないのであれば何でもよいのです。
ただ、レインウェアを着るとスイングがしづらくなるので、性能の高いゴルフ用品メーカー製のレインウェアのほうがおすすめです。
気をつけたいのは、レインウェアでクラブハウス内を動き回るのはマナー違反です。格式の高いゴルフ場では、ロッカールームでレインウェアを着用したら、すぐにキャディハウス前へ行き、ハーフで戻ってきた際もレインウェアを脱いでからクラブハウスに入る配慮が必要でしょう。
カッパなしでプレーできる？
プレー中に雨が降ったらカッパ（レインウェア）を着るのが一般的ですが、カッパなしでもプレーできるのでしょうか？
ルール上はカッパを着る必要はないので、ずぶ濡れになろうがカッパを着ることなくプレーしても構いません。
ただし、濡れたままクラブハウス内のレストランなどを利用するのはマナー違反なので、周りの方に迷惑をかけないよう配慮しましょう。
雨の日のおすすめの服装は？
雨の日のゴルフでは、防水性と通気性にすぐれた服装がよいでしょう。レインウェアだけに限らず、ゴルフウェアやシューズも考えておくべきです。
また、プレー中だけではなく、プレー後のことを考えて着替えなども用意する必要があります。
雨の量にもよりますが、全身レインウェアである必要はないので、セパレートタイプのレインウェアで下だけ履いて上着は途中で着替えるというのも、スイングのしやすさを考えれば有効です。
雨の日の服装【レディース編】
雨の日の服装は普段と違うシチュエーションなので、選ぶのも悩むでしょう。
特におしゃれなコーディネートでゴルフをしたい女性にとっては、服装だけでなく雨によるメイクの乱れも気になります。
そんなレディースにはレインコートとレインハットの組み合わせがおすすめです。
レインコートであればスカートも濡れないので、女性にとってはオールラウンドなレインウェアといえるでしょう。
またレインハットがあれば顔に直接雨が当たることを防げるので、ボールに集中できます。
雨の日の服装【メンズ編】
男性ゴルファーにとっても雨の日は服装に気を付ける必要があります。
レインウェアは上下セパレートが基本であり、下だけを着用すると動きやすいのでおすすめです。
ただし、トップスが濡れて肌が透けるのは少々見苦しいといえます。メンズ用のインナーを着用するなどの対策をしましょう。
雨の日のゴルフの持ち物は？
雨の日のゴルフで用意すべき持ち物は以下のとおりです。
- レインウェア
- 予備のグローブ
- ゴルフウェアや下着などの着替え
- （予備のシューズ）
レインウェアを着てもグリップは雨にあたるので、予備のグローブを用意しましょう。雨の中で、同じグローブを使い続けると濡れて滑りやすくなってしまいます。
最悪の場合、スイング中にクラブがグリップから抜けてしまう恐れもあるので、準備して損はありません。
また、ゴルフウェアや下着などは「着替える」前提で準備しましょう。アマチュアがシューズの予備まで用意するのは無理があるので、予算の許す範囲で考えておきましょう。
雨の日のゴルフ、打ち方のコツは？
雨の日のゴルフで普段通りのプレーをすると、思わぬ大叩きなどトラブルに遭遇しがちです。
それを避けるためには雨ゴルフに合わせた打ち方や、コースマネジメントなどを考えてプレーしなければなりません。
ここからは、雨の日のゴルフで注意すべき打ち方や、心構えについて解説します。
いつもより短めにクラブを握る
雨の日はコースが濡れているのでボールの転がりが期待できず、普段より飛距離が落ちてしまいます。
そこでやってはいけないのが、飛距離をカバーする大きなスイングをすることです。
むしろ、いつもより番手を上げて短めにクラブを握るくらいで飛距離を調整するほうが良い結果につながります。
また、ドライバーショットでもキャリーを稼ぐため、いつもよりほんの少しティーアップを高くするなど、スイングによるカバーではない工夫が効果的です。
足元が滑りやすいのでしっかり構える
昔のゴルフシューズはソールに金属製の鋲を装着したモデルが主流でしたが、雑に歩くとグリーンを傷つけるなど弊害が大きく、今ではほとんど見かけません。
最近では、それに代わり樹脂製の鋲を装着した「ソフトスパイク」や、普通のスニーカーのようなシューズが主流になりました。
しかし雨の日はスイング中に足が滑りやすくなり、特にスニーカータイプではその傾向が顕著です。
そのため、アドレス時にいつもより足場を意識した構えが重要です。特に地形の起伏が激しい場所では、より構えを意識しましょう。
キャリーを意識したコースマネジメント
降水量が多いほど打ったボールは落下点付近で止まってしまい、飛距離が落ちてしまいます。
そのため、雨の日の飛距離を考えたコースマネジメントが重要です。
基本的には晴れの日よりクラブの番手を上げてプレーするとよいでしょう。
アプローチの場合、普段はグリーン手前から転がしていたようなショットも、雨の日はある程度ピンに対して真っ直ぐ狙って打てます。
雨でも関係なく練習できるのはインドアゴルフ！
誰もが晴れた日にプレーしたいゴルフですが、自然を相手にするスポーツなのでいつかは雨の日のゴルフを経験するでしょう。
ただ、これが練習となれば話は変わります。雨や風が強い日にあえて外の練習場で打つ必要はないのです。
悪天候時の練習でおすすめなのはインドアのゴルフ練習場やスクールです。雨だけでなく冬の寒い時期でもゴルフの練習に集中できるのは大きなメリットといえます。
ゴルフの上達には練習が欠かせないので、インドアゴルフも積極的に活用しましょう。
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