ゴルフは、グリップの握り方ひとつで、スイングやショットに大きな影響が出るスポーツ。
左手はなんとなく意識していても、右手の正しい握り方を理解している方は少ないのではないでしょうか。
そこで、この記事ではゴルフのグリップについて、右手の握り方にフォーカスを当てて解説します。
右手の握り方のポイントから、親指や人差し指、薬指の位置まで、細かく解説するので、正しい握り方がわかるはず。右手の指にマメができたり皮がむけたりするなど、よくある悩みと解決策も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
ゴルフグリップの握り方における右手の重要性
誤った右手のグリップはスイングに悪影響を及ぼします。
具体的には、アドレス時の手の位置がズレたり、肩のラインが崩れたりして、正しいスイングができなくなる点などです。
さらに、クラブを握ったときの右手には、ショットの「方向性」と「飛距離」を決める大事な役割があります。
ショットを安定させ、飛距離を伸ばすためには、まずグリップを正しく握ることが大切です。
左手に比べて右手はおろそかになりがちですが、右手の握り方のほうがスイングに与える影響が大きくなりやすいといえるでしょう。
ゴルフグリップの握り方、右手のポイント
ゴルフグリップを握る際、右手は以下のポイントを意識しましょう。
- 手のひらとフェースの向きを揃える
- 右手はクラブの横から握る
- 両手の握る強さを均等にする
各ポイントを順に解説します。
手のひらとフェースの向きを揃える
右手の手のひらは、クラブフェースが向いている方向を示す基準になります。
そのため、グリップを握る際は、手のひらとフェースが同じ向きになるように意識することが大切です。
ショットしたボールは、フェースの向いている方向へ飛んでいくため、インパクトではフェースをスクエアに戻す必要があります。
しかし、スイング中にフェースの向きを目で確認するのは困難ですよね。そこで基準となるのが、右手の手のひらの向きです。
手のひらとフェースの向きが揃っていれば、スイング中でもフェースの開き具合を把握でき、スクエアに戻せるようになります。
右手はクラブの横から握る
右手のグリップは、クラブを横から添えるように握るのが正しい握り方です。
クラブの下から握ったり、上からかぶせたりするような形にならないようにしましょう。
下から握ると、インパクト時に右手がこねりやすくなってしまい、上からかぶせると、右肩が上がって、アウトサイド軌道のスイングになってしまいます。
右手を横から添えるように握ることで、手のひらとクラブフェースの向きが連動し、フェース面をスクエアに保った状態でスイングができます。
両手の握る強さを均等にする
ゴルフのグリップは、左右の握る強さを均等にすることが理想です。
グリップを握る際の注意点として、「左手を主導にし、右手に力は入れない」と教わったことがある人も多いのではないでしょうか。
一般的に、ゴルフスイングは左手主導が基本ですが、右手をまったく使わないということではありません。
冒頭でお伝えしたとおり、右手にはスイングを安定させる役割があります。そのため、右手に力が入っていないと方向性が安定せず、飛距離も伸びないショットになってしまいます。
ただ、右手に力を入れすぎるのも、フックや引っかけの原因となるので好ましくありません。
利き腕が右の場合は、右手に力が入りやすくなるので注意しましょう。
ショットを安定させるには、両手にバランスよく力を入れ、右手の役目をしっかりと果たせるよう意識してくださいね。
ゴルフグリップの握り方、右手指の使い方
この章では、グリップ時の右手指の使い方を、各指ごとに分けて解説します。
左手を作った状態から右手をどう握ればよいのか、細かく確認してくださいね。
親指
親指は、指先が右手人差し指に軽く触れるように握ります。このとき、指先がグリップの左側を向くように意識してください。
こうすることで、親指と人差し指がV字の形になり、グリップを挟み込むような形になります。
グリップを支える力が強くなるため、スイング中の緩みを防止してくれるのです。
右手の親指は、スイング中にクラブがふらつくのを防ぐという重要な役目を担っています。
アドレスで作ったグリップの形をスイング中に崩さないことが、ショットを安定させるポイント。正しい位置に親指を置くことが大切です。
人差し指
人差し指は、ピストルの引き金を引くトリガーの形になるように握りましょう。
第二関節を支点に、グリップを下から巻きつけるようなイメージです。
トリガーの形を作ることでグリップが安定するため、フェースの向きもコントロールしやすくなります。
人差し指を伸ばして握る人もいますが、スイングの軌道が不安定になったり、クラブの振り遅れでスライスになったりするケースが多いので注意しましょう。
また、人差し指は中指から少し離して握るのもポイント。
中指から離して握ると、くっつけて握った状態に比べて、少ない力でクラブを振ることができます。
試しに、右手だけでクラブを持ち、左右に振ってみれば違いがよくわかるはずです。中指から離した状態とくっつけた状態では、離したほうが振りやすいと感じるでしょう。さらに、クラブヘッドのコントロールもしやすくなります。
クラブが長く、そして重くなるほど、この違いが大きくなります。
薬指
薬指は、中指と揃えて第二関節でグリップを挟むように握ります。
このとき、深く握り込まないようにするのがポイント。
あまり深く握ると、手首が固まってしまい、スイングでヘッドを走らせることができなくなってしまいます。
右手の薬指は浅く、下からグリップを支える感覚で握りましょう。
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握り方の種類によって右手の使い方は変わる？
ゴルフでの握り方は、大きく以下の3つに分けられます。
- オーバーラッピンググリップ
- インターロッキンググリップ
- テンフィンガーグリップ（ベースボールグリップ）
握り方は人によってさまざまですが、種類によっては右手の使い方が異なってきます。
以下の表では、握り方の特徴と右手の使い方をまとめています。
| グリップの種類 | 特徴 | 右手の使い方 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| オーバーラッピンググリップ | ・オーソドックスな握り方。 ・右手の感覚を生かせる。 | 左手の人差し指と中指の間に、右手の小指を乗せる。 | ・握力の強い人。 |
| インターロッキンググリップ | ・両手に一体感が生まれ、スイング中にグリップが緩みにくい。 | 左手の人差し指と右手の小指を絡めて握る。 | ・手の小さい人や女性。 ・方向性を重視したい人。 |
| テンフィンガーグリップ（ベースボールグリップ） | ・両手でグリップをしっかり握るため、力を入れやすい。 | 野球のバットを握るように、10本すべての指でグリップを握る。 | ・握力の弱い人。 ・飛距離不足に悩んでいる人。 |
もっともオーソドックスな握り方は、オーバーラッピンググリップですが、体格や力の強さに合わせて握り方を変更するのもよいでしょう。
手の小さい人や女性は、グリップをしっかり握れるインターロッキンググリップや、テンフィンガーグリップを活用するのがおすすめ。
ただ、強く握れる反面、無意識に右手首が動いてしまい、スイングが安定しないというデメリットもあります。
握り方に合わせて右手の使い方をマスターできれば、スイング精度はさらに上がります。
ゴルフで右手の親指に力が入るとどうなる？
本来、右手の親指には力を入れず、グリップに軽く添えて握るのが正しい握り方です。
人によっては、親指の指先をグリップの左側へずらして、あえて力が入らないような握り方をする人もいます。これは、グリップを握る右手の親指に力が入ってしまうと、スライスなどのミスショットを起こす原因となってしまうからです。
親指に力が入ると、腕の外側の筋肉を使ったスイングになります。
これではトップからの切り返しで、クラブがアウトサイドから下りてくるため、フェースをスクエアに捉えることができなくなります。
また、親指に力が入るとフェースが開いたり閉じたりしやすくなり、ショットが安定しません。
とくに、右利きの人は右手に力が入りやすいので、親指は軽く添える、もしくはグリップの左へ外すようにし、力が入らないポジションにセットしましょう。
ゴルフグリップの握り方、右手でよくある悩みと解決策
ゴルフグリップの握り方に関して、右手の悩みを持つ人は多くいます。
マメや皮向けができる場所によってはグリップの握り方や、スイングの仕方に問題があるケースもあります。
この章では、右手のグリップに関するよくある悩みと解決策について解説します。
薬指の皮がむける
この悩みを持つ方は、薬指の小指側の皮がむけることが多いのではないでしょうか。
この原因として考えられるのは、右手の力が強すぎることによる摩擦です。
また、インターロッキンググリップの場合、スイング中に小指で薬指を引っかいてしまっているかもしれません。
グリップの正しい握り方を確認し、場合によってはオーバーラッピンググリップへ変えてみるのもひとつの手です。
親指の付け根が痛い
右手親指の付け根部分に痛みを感じる場合は、深く握り込んでいると考えられます。
グリップが親指の付け根に届くまで深く握っていると、スイングの衝撃で付け根が圧迫されます。
ダフリやトップなどのミスショットが起これば、さらにダメージが大きくなるでしょう。
アドレスで右腕が不自然に突っ張るような形になるので、正しいスイングもしづらくなります。
右手は深く握るのではなく、親指と人差し指の間でグリップを挟むように握るのがポイントです。
力の入れすぎにも注意し、フェースやグリップの不要な動きを防げる程度の力で握りましょう。
親指にマメができる
右手親指にマメができてしまうのは、正しいグリップができていないことが原因です。
右手の親指は、人差し指とV字の形になるように握るのが正しいですが、これがズレてしまうと、トップでクラブの重さが親指にかかってきます。
親指に力も入るため、スイングやインパクトの衝撃でマメができてしまうのです。
アドレス時に親指がV字になっていることを確認し、スイング中も形が崩れないよう意識しましょう。
ゴルフをやっている人なら誰でも、一度は手にまめができたことがあるでしょう。ゴルフでまめができるのは悪いことなのでしょうか？結論から言うと、ゴルフでまめができるのは一概に悪いとはいえません。ただし、まめができる場所によ[…]
親指が擦れる・すり減る
グリップの右手親指が当たる部分が擦れていたり、すり減ったりしていることがあります。
これは、親指を押し込む力でグリップが摩耗しているため、右手の親指に力が入りすぎている証拠でもあるといえるでしょう。
前述したように、右手の親指に力が入ると、クラブの軌道がスイングプレーンから外れてしまい、ミスショットの原因になります。
親指の力を抜いて握るか、親指をグリップから左へ外して握る方法を試してみましょう。
ゴルフをする時、グリップの握り方についてどれくらい意識しているでしょうか。実は、初心者ほど握り方をあまり意識しておらず、上級者ほど握り方を大切にしています。人によっては、握り方だけでショットの7割は決まると主張している方もいます。[…]
グリップの正しい握り方はレッスンプロに教えてもらおう
スイングを安定させるには、右手でグリップを正しく握ることが大切です。
左右の手の役割を考え、適切な位置や力加減でグリップすることを意識しましょう。
しかし、右手は力を入れすぎてもスイングが安定せず、間違った握り方ではかえってミスが多くなるのも事実。
正しいグリップの握り方を身に付けるには、レッスンプロから教わるのがおすすめです。
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