ショートゲームがうまくいかずにあと少しのところでスコアを崩してしまう。そんな悔しい思いをしたことはありませんか? どんなに飛ばせても、最後の詰めが甘いとスコアはまとまりません。
この記事では、ショートゲームの基本から種類、上達のヒントや練習方法までをわかりやすく解説していきます。

ゴルフのショートゲームとは
ゴルフのスコアを安定させたいなら、まず見直したいのがショートゲームです。飛距離の出るショットに注目が集まりがちですが、スコアに直結するのはむしろグリーン周りのプレー。ここでは、ショートゲームの基本について解説します。
ショートゲームとはグリーン周りのショットの総称
ショートゲームとは、グリーン近くからカップを狙う短い距離のショット全般を指したプレーのことです。はっきりとした定義はありませんが、一般的には残り100ヤード以内のプレーが該当します。
アプローチ、バンカーショット、チップショット、パッティングなどが含まれ、どれも力加減やタッチの正確さが求められる場面です。飛ばすことよりも、いかに寄せるかが問われます。
ショートゲーマーとは?
ショートゲーマーとは、ショートゲームに強みを持つゴルファーのことです。飛距離ではなく、アプローチやパットでスコアを作っていくタイプともいえます。
特にアマチュアの場合、ショートゲームを安定させるだけでスコアが一気に変わることもあり、上級者に多い傾向です。まずはこのエリアに意識を向けることが、スコアアップの近道といえるでしょう。
ゴルフのショートゲームの種類
ショートゲームとひと口にいっても、その中にはさまざまなショットが含まれます。状況に応じた使い分けをするには、どの場面でどんな球を打つのが適しているかを理解しておかなければなりません。
以下に、代表的なショートゲームの種類をまとめました。
ショートゲームの種類
| ショット名 | 主な状況 | カップまでの距離の目安 | 
|---|---|---|
| アプローチ | グリーン周り〜100ヤード前後から | 30〜100ヤード程度 | 
| ピッチショット | 障害物越え・高さを出して止めたいとき | 20〜50ヤード程度 | 
| チップショット | 地面が見えていて転がせる状況 | 10〜30ヤード程度 | 
| バンカーショット | グリーンサイドのバンカー内から | 数ヤード〜20ヤード程度 | 
| パッティング | グリーン上またはその周辺 | 数センチ〜数メートル | 
アプローチ
グリーン周りからカップを狙うときに打つのがアプローチです。100ヤードから数ヤードと距離の幅が広く、状況に応じて高さを出すか、転がすかを選び、距離感と方向性を意識して打ちます。番手選びの幅も広く、ウェッジを中心に使われることが多いです。
特に距離感が重要で、5〜10ヤード刻みで飛距離をコントロールする技術が求められます。
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ピッチショット
グリーンまでにバンカーやラフがあるとき、高さを出して落とし止めるのがピッチショットです。振り幅やスピンのコントロールが重要で、グリーンの傾斜や奥行きも意識する必要があります。
特にカップまでの距離が短い場合や、グリーンが下り傾斜となっているときなど、ランを少なくしたい場面で有効なショットです。
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チップショット
カップまでの地面が見えていて、転がせるスペースがあるときに使うショットです。ロフトの少ないクラブを使い、打ち出しは低く、あとは地面を転がして距離を調整します。距離感や方向性を掴みやすいため、パター感覚でカップに寄せたい場面で有効です。
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バンカーショット
グリーンサイドバンカーからカップを狙うショットです。砂の抵抗を利用してボールを浮かせるため、スイングやフェースの開き方に工夫が必要となります。グリーンまでの距離が近いのでスイングが緩みがちですが、怖がらずにしっかり振るのがポイントです。
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パッティング
グリーン上でカップに向かって打つのがパッティングです。ボールを上げずに転がすショットで、ラインの読みとタッチの繊細さが問われます。距離は短くても、ミスがそのままスコアに響くため集中力が求められます。
また、グリーン外から直接カップを狙うことも可能。パターを使ったアプローチはミスが少ないため、ライの状態が良く障害物がない状況であれば積極的に使いたいショットです。
ゴルフにおけるショートゲームの重要性
ゴルフのスコアメイクにおいて、ショートゲームは無視できません。
ティーショットやセカンドショットに比べて見た目の派手さはありませんが、実際のプレーではグリーン周りでの1打がスコアを大きく左右する場面が何度も訪れます。
ミスショットをリカバリーできるかどうか、ピンチを最小限に抑えられるか。そうした局面を支えてくれるのがショートゲームの技術です。上級者ほどこの領域を重視しており、逆にいえば、ショートゲームを整えることで安定したスコアを出しやすくなります。
100切り達成にはショートゲームの攻略が必須
ゴルフを始めた多くの人が最初に目標とするのがスコアの100切りです。つまり18ホールで99打以内に収めること。ここで大きな鍵を握るのがショートゲームです。
例えばパー4のホールで、ドライバーがまっすぐ飛ばなかったとしても、残りをうまく寄せて2パットで収められればボギーで済みます。一方、グリーン周りでトップやダフリを繰り返すとスコアはあっという間に崩れていきます。
仮に18ホール中、毎ホール1打ずつショートゲームでミスを減らせたとしたら、それだけで18打の差が出ます。ドライバーの飛距離を10ヤード伸ばすより、アプローチで確実に寄せられる力を身につけるほうが、スコアに直結しやすいというのはこうした理由からです。
また、ショートゲームの技術が向上すれば、多少のミスがあってもリカバリーが効きます。
2打目・3打目でグリーンを外したとしても、アプローチでカップに寄せる技術があれば大きなトラブルにはなりません。精神的な余裕が生まれることで、ショット全体の安定感にもつながるというメリットもあります。
ショートゲームは、スコアアップのための「裏方」ではなく、むしろ「主役」です。100切りを本気で目指すなら、まずここを重点的に磨いていくべきでしょう。
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ゴルフのショートゲームの上達の秘訣
ショートゲームを上達させるには、ただ感覚で打つだけでは限界があります。打ち方の基本に加えて、状況判断や考え方を磨くことがスコアにつながっていきます。
ここでは、プレー中に意識したい3つのポイントを紹介します。
1打で寄せようとしすぎない
ショートゲームでよくあるミスの1つが、「1発でベタピンに寄せよう」として力んでしまうことです。距離感が合わずにオーバーしたり、手前にショートしたりと、かえってミスを広げてしまう原因になります。
まず意識したいのは、確実にグリーンに乗せること。そのうえで、次のパットが打ちやすい場所に落とす、という感覚でプレーすると、無理のないアプローチがしやすくなります。
スコアメイクにおいては、「寄せる」というより「まとめる」という視点が大切です。
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自分の得意な球筋・打ち方を決めておく
ショートゲームには、ロブ、ランニング、スピン系などさまざまな打ち方がありますが、すべてを使いこなそうとする必要はありません。まずは「自分が1番安心して打てるパターン」を決めておくと、迷いなくアドレスに入れます。
例えば、転がすチップショットが得意なら、多少距離があっても転がし中心のルートを選ぶのも選択肢です。状況に応じてバリエーションを増やしていくのは後からでも構いません。得意な武器を1つ持っているだけで、コース上の判断がぶれにくくなります。
グリーンの傾斜や落とし所を先に読む
ショットに入る前に、グリーンの傾斜や芝目、ボールの落とし所をあらかじめ確認しておくことも重要です。どの方向から攻めると止まりやすいか、どこに落とせばカップに寄せやすいかを把握しておくだけで、同じ距離のショットでも結果に大きな差が出ます。
特にライが悪い状況やグリーンの傾斜がきつい場面では、無理に狙わないことも大切。グリーンに乗せることを優先することで、大叩きのリスクを回避できます。グリーンの情報を先に読み取る習慣をつけることで、ショートゲームの精度は確実に上がっていくでしょう。
戦略の引き出しを増やすことが、安定したスコアにつながります。
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残り100ヤードのショートゲーム(アプローチ)における戦略
ショートゲームの中でも、残り100ヤード前後のアプローチは特に打数に直結しやすい重要な距離です。
打ち方やクラブ選びに迷いやすい場面でもあるため、自分なりの戦略を持っておくことでミスを最小限に抑えられます。
100ヤード残っていたら何で打つ?
100ヤードという距離は、ちょうどフルショットをするには短く、半端な距離感が求められる場面です。多くのアマチュアはピッチングウェッジやアプローチウェッジ、ギャップウェッジなどを使用しますが、どのクラブを使うかは飛距離だけでなく、得意なスイング幅やグリーンの状況によっても変わってきます。
例えば、ピンが手前に切られているなら高く上げて止めたい場面ですし、奥なら無理に上げすぎずにラインを重視する打ち方が有効です。
自分の中で「この状況ではこのクラブ」という目安を持っておくと、プレー中に迷いが減ります。
また、得意なクラブのフルショットが120ヤードだとしたら、それまでのショットであえて120ヤードを残すように調整するのも1つの手です。
ウェッジは1本?2本?
ウェッジは1本で済ませる方もいれば、2〜3本持ち歩く方もいます。重要なのは「1本で何通りの打ち方ができるか」と「番手ごとの距離が明確か」です。
1本でもスイング幅(ハーフ、クォーター)を変えて打ち分けられるなら十分対応できますが、距離感に不安がある場合は、ギャップウェッジやサンドウェッジなどでフルスイングしたほうが安定しやすくなります。
100ヤード以内の打ち分けのコツ
100ヤード以内を打ち分けるには、振り幅のコントロールが重要です。スリークォーターやハーフショットなど、コンパクトなスイングで打つことで、距離と方向のブレを抑えることができます。
例えば、フルスイングで100ヤード飛ぶクラブを使う場合、80ヤードなら肩から肩までのスイング、50ヤードなら腰から腰までのスイングなど、振り幅の基準を作っておくのが効果的です。
また、落とし所を先に決めておく意識も大切です。ピンを狙うというより、グリーンの傾斜や芝目を考慮して安全に止まる場所を選ぶことが、結果的に寄るアプローチにつながります。
打ち分けの精度を高めたいなら、自分のスイング幅ごとの距離を事前に把握しておくことが基本になります。計測してデータを持っておくだけでも、実戦での判断が格段にしやすくなります。
ゴルフのショートゲームの練習方法
ショートゲームは、スイングの再現性や距離感など、感覚的な要素が多い分繰り返しの練習が欠かせません。
ここでは、初心者から中級者までが取り入れやすい練習方法を3つご紹介します。
30・50・70ヤード打ち分けドリル
振り幅ごとの飛距離感覚を体に覚えさせるのが目的の練習ドリルです。クラブ1本でスイング幅を変え、決まった距離を打ち分けられるようになると、アプローチの場面で迷いが減ります。
<やり方>
- ピッチングウェッジまたはアプローチウェッジを使用する
- ターゲットを30・50・70ヤードに設定する
- それぞれの距離に合わせて、振り幅(例:腰、肩、フル)を使い分ける
- 毎回スイングのリズムを一定に保ちながら繰り返す
ボールの高さやスピンは二の次で構いません。まずは「狙った距離を再現できるか」を意識することが大切です。
ある程度打ち分けられるようになったら、弾道の高さにも変化をつけてみましょう。キャリーとランのコントロールができるようになると、さまざまな状況に対応したアプローチショットが打てるようになります。
カラーからの3球チャレンジ
このドリルでは、実戦に近い状況判断力を養うことができます。毎回ライや狙いどころが変わるため、応用力が鍛えられ集中力のトレーニングにもなります。
<やり方>
- グリーン周りのカラーに3球をランダムに置く
- それぞれ1球ずつ、違うクラブ・打ち方で寄せることを意識する
- すべてのボールを2パット以内でホールアウトすることを目指す
アプローチ前には「どこに落として、どう転がすか」を必ずイメージしてください。1球1球を試合だと思って丁寧に取り組むと効果が高まります。
打ちっぱなしの練習場やラウンド中に行うのは難しいため、アプローチ練習場のある施設やラウンドレッスンなどを活用するのがおすすめです。
自宅でできるストレートパット練習
パッティングはグリーンでしか練習できないと思われがちですが、まっすぐ打ち出す技術は自宅でも磨けます。パターでのタッチやストロークの再現性を高め、目標に対してストレートに打ち出す練習を行いましょう。
<やり方>
- パターマットを敷く、または目印の上を通す直線ラインを作る
- 毎回同じ構えとストロークで打ち出す
- 軌道が左右にぶれず、同じ距離に止まるかを確認する
注意点は、ヘッドアップや手打ちになっていないか確認しながら行うこと。再現性の高いストロークを身につけるには短時間でも継続して行うことがポイントです。
ステップゴルフのコースレッスンはショートゲームにも特化◎
ショートゲームは、状況ごとの打ち分けや判断がスコアに直結する重要なプレーです。
ただ、打ちっぱなしでは実際の傾斜やライの変化を再現することが難しく、実戦的な感覚を身につけるには限界があります。練習場ではうまく打ててもコースに出ると距離感が狂ったり、バンカーから1発で出せなかったり。そんな経験がある方も多いのではないでしょうか。
ステップゴルフでは、そうしたショートゲームの課題に応えるため、アプローチ・バンカー・パッティングに特化した「スコアメイクプラス」などの実践型コースレッスンをご用意しています。コースレッスンイベントは月間70企画以上を開催し、送迎も無料。初心者から上級者まで、目的やレベルに合わせて選べる内容で、実際のコースを使って効率良く技術を磨けます。
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