ゴルフを始めてしばらく経つと、「ウッドとユーティリティって何が違うんだろう?」と感じる方は多いのではないでしょうか。どちらも中〜長距離を打つためのクラブですが、見た目や打ちやすさ、飛距離などにそれぞれ特徴があります。
この記事では、ウッドとユーティリティの違いをわかりやすく解説し、初心者にも扱いやすい組み合わせや使い分けのコツについて紹介していきます。

ウッドとユーティリティの基本的な違い
ウッドとユーティリティは、どちらも中〜長距離を打つためのクラブですが、設計や使い方、使いやすさには大きな違いがあります。
まずは両者の基本的な特徴を、以下の表で確認してみましょう。
| 項目 | ウッド | ユーティリティ |
|---|---|---|
| 主な用途 | 飛距離を出す | ミスを減らしつつ飛距離を出す |
| 球の高さ | 高弾道になりやすい | やや低めの弾道 |
| 扱いやすさ | 芝からは難しく感じることも | 芝やラフからでも打ちやすい |
| ヘッド形状 | 大きく丸みのあるヘッド | コンパクトで厚みのあるヘッド |
| 主な使用場面 | ティーショット、長い2打目など | ラフ、中長距離のグリーン狙いなど |
目的の違い
ウッドは「遠くへ飛ばす」ことを目的としたクラブで、ティーショットや長いセカンドショットなど、飛距離を必要とする場面で活躍します。
一方、ユーティリティは「安定して確実に距離を稼ぐ」ことが主な目的で、ミスが出やすいロングアイアンの代わりとして設計されたクラブです。
扱いやすさの違い
ウッドはシャフトが長くヘッドも大きいため、スイングにある程度の安定性が求められます。とくに芝の上から打つ際は、難しく感じる方も多いでしょう。
ユーティリティは、ヘッドが小さくシャフトが長くないため、ラフや傾斜でも打ちやすく、初心者でもミートしやすい構造です。
ウッドとユーティリティの種類
それぞれのクラブには、番手によってロフト角や使いどころが異なるバリエーションがあります。
| クラブ種別 | 番手例 | 主な用途 |
|---|---|---|
| フェアウェイウッド | 3W(15度前後) | ティーショットや長い距離の2打目に |
| 5W(18度前後) | 高く上げてグリーンを狙いたい場面 | |
| ユーティリティ | 3UT(19度前後) | 180〜200ヤード前後(中・長距離)を安定して打つ |
| 4UT・5UT(21〜25度) | 芝やラフからの中距離ショット |
番手が上がるごとにロフト角が大きくなり、ボールが高く上がりやすく、飛距離は短くなります。
ウッドとユーティリティの見た目の違い
見た目は似ていますが、ウッドとユーティリティには明確な違いがあります。これらは構造や役割に直結しているため、クラブ選びの際にも注目しておきたいポイントです。
まずは主な見た目の違いを比較表で確認しましょう。
| 見た目のポイント | ウッド | ユーティリティ |
|---|---|---|
| ヘッドの大きさ・形 | 大きく丸みがあり、奥行きがある | 小ぶりでコンパクト、丸みは控えめ |
| フェースの高さ | フェース面が薄く、横に広い | フェースがやや縦に厚い |
| ソールの幅 | 幅広で地面にベタッと付きやすい | やや細めで芝との接地面が少ない |
ヘッドの大きさ・形
ウッドは、ドライバーに近い見た目をしており、ヘッドが大きく丸く、奥行きのある形状です。視覚的にも「飛ばせそう」な印象があり、ティーアップされたボールとの相性も良好です。
一方、ユーティリティはアイアンに近い印象で、ヘッドはコンパクトかつシャープな形をしています。丸みは控えめで、構えたときにターゲットに対して真っすぐなイメージを持ちやすいのも特長です。
フェースの高さ
ウッドは、フェース面が低く横に広いため、打点エリアが横方向に広いクラブです。これはスイートスポットを横方向に確保するためで、スイング軌道が一定のプレーヤーにとっては安心感につながるでしょう。
ユーティリティはフェースが縦にやや厚く、アイアンのように「上から当てる」打ち方にも対応しやすい構造です。フェースが縦に広いぶん、地面からでもボールを拾いやすいというメリットがあります。
ソールの幅
ソールとは、クラブを地面に置いたときに地面と接する「底」の部分のことです。ウッドはソール幅が広く、構えたときにクラブがどっしりと地面に乗る印象を受けます。
ユーティリティはソール幅がやや狭く設計されており、傾斜やラフでも抜けがよく、クラブが突っかかりにくいという利点があります。ソール形状からも分かるとおり、ユーティリティのほうが幅広いライに対応できるといえます。
ウッドとユーティリティの飛距離の違い
基本的にはウッドのほうが飛距離が出やすい設計です。ロフト角が少なく、シャフトが長めなぶん、ボールスピードが出やすくなっています。一方、ユーティリティは飛距離よりも安定性やミートしやすさを重視したクラブで、ロングアイアンの代替として使われます。
以下は、アマチュア男性のフルショット時のおおよその飛距離の目安です。
| クラブ | ロフト角の目安 | 飛距離の目安 |
|---|---|---|
| 3番ウッド(3W) | 約15度 | 約210〜230ヤード |
| 5番ウッド(5W) | 約18度 | 約190〜210ヤード |
| 3番UT(3UT) | 約19度 | 約180〜200ヤード |
| 4番UT(4UT) | 約21度 | 約170〜190ヤード |
飛距離は番手ごとに10〜20ヤード程度の差をつくるのが理想です。
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ウッドとユーティリティの打ち方の違い
ウッドとユーティリティは構えたときの雰囲気が似ているため、同じように振ってしまいがちですが、スイングの意識やインパクトの作り方には違いがあります。
以下の表でポイントを整理してから、それぞれの打ち方をみていきましょう。
| クラブ | スイング軌道 | 最下点の位置 | 打ち方のイメージ |
|---|---|---|---|
| ウッド | フラットな軌道~ゆるやかなアッパー軌道 | ボールの少し後ろ~ボールの真下 | 地面を滑らせるように |
| ユーティリティ | ややダウンブロー | ボールの真下〜少し先 | 上からやさしく当てる(アイアンに類似) |
ウッドの打ち方
ウッドは、ボールを高く遠くへ飛ばすクラブです。ティーアップされた状態では「フラット~アッパーブロー気味」に振り、ボールを払い打つような感覚でスイングします。
フェアウェイから打つときは、スイングの最下点をボールのすぐ後ろに置き、ソールを滑らせるようなイメージで打つと、ダフリにくくなります。
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ユーティリティの打ち方
ユーティリティは、アイアンに近い感覚でスイングするのが基本です。クラブを上から入れて、ボールをしっかりと叩くような意識が大切です。
とはいえ、極端なダウンブローではなく、ややレベルブロー寄りのスイングで十分です。芝の上やラフから打つ場面が多いため、クラブの抜けの良さを活かして、自然に振り抜く意識をもちましょう。
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【状況別】ウッドとユーティリティのどっちを使う?
よくあるシーンを4つ取り上げ、それぞれに合うクラブとその理由、打ち方のポイントを紹介します。
ドライバーほど飛ばさなくてよい場面では3番ウッド(3W)
フェアウェイを確実にキープしたいときや、距離を少し抑えたいティーショットでは、3Wが活躍します。
ドライバーよりもコントロールしやすく、ティーアップしても比較的違和感なく打てます。払い打つイメージでゆったり振ると、安定して飛距離が出るでしょう。
芝の上から長い距離を打つときは4番ユーティリティ(4UT)
フェアウェイなどの芝から200ヤード前後を狙いたい場面では、ウッドよりもユーティリティのほうが扱いやすいでしょう。
特に4UTは地面からでもミートしやすい設計のため、安定したショットにつながります。軽めのダウンブローを意識すると、芯に当たりやすくなります。
ラフからグリーンを狙いたいときは5番ユーティリティ(5UT)
ラフのような芝の抵抗が強い場面では、ヘッドの抜けがよい5UTが安心です。ソールが引っかかりにくく、クラブがスムーズに振り抜けます。力み過ぎずにコンパクトに振るのがポイントです。
高くボールを上げてグリーンを止めたいときは5番ウッド(5W)
バンカー越えや砲台グリーンなど、キャリーを重視したい場面では、球が上がりやすい5Wが役立ちます。高弾道でグリーンにソフトに落としやすく、グリーンで止めやすいクラブです。丁寧なスイングを心掛けて、フォローまで振り切ることを意識しましょう。
ウッドとユーティリティの組み合わせについて
ウッドとユーティリティのどちらを多めにセッティングするかは、プレースタイルや得意・不得意によって変わってきます。
ここでは、それぞれに向いている人の特徴や、初心者におすすめの組み合わせなどを紹介します。
ウッド多めがおすすめな人
ウッドを複数本入れるセッティングは、飛距離をしっかり稼ぎたい人や、球を高く上げたい人に向いています。
特にスイングスピードがある程度ある方は、3Wや5Wを活かしてロングホールの2打目でグリーンを狙うのもよいでしょう。。ティーショットでドライバーの代わりに使いたい人にも相性が良い構成です。
ユーティリティ多めがおすすめな人
ユーティリティ中心のセッティングは、フェアウェイウッドが苦手な方や、ラフ・傾斜などさまざまなライから確実にボールを運びたい方におすすめです。
4UT、5UT、6UTなどを入れることで、長めのアイアンの代わりにもなり、安定感重視のプレーがしやすくなります。
初心者向けの組み合わせは?
初心者には、「5W+4UT+5UT」のようなバランス型のセッティングがおすすめです。
5Wはティーショット用、4UTと5UTはフェアウェイやラフから中距離を狙う場面で活躍します。難易度が低い5Wを採用することで、ティーショットや飛距離を出したい場面で、大きなミスを軽減できます。それぞれの得意な距離や使いやすさを考慮して、少しずつ自分に合う組み合わせを調整していきましょう。
参考:ユーティリティ・フェアウェイウッドともにいらないという声もある?
中には「どちらも入れていない」というプレーヤーもいます。たとえば、ロングアイアンを得意としている人や、ショートウッド(7W・9Wなど)で飛距離を階段状にカバーできている人です。
ただし、これはスイングに安定感がある上級者のケースが多いため、初心者や中級者はあまり真似をしすぎず、自分にとって打ちやすいクラブを優先して選びましょう。
ウッド・ユーティリティの代用案
フェアウェイウッドやユーティリティは便利なクラブですが、すべてのゴルファーにとって扱いやすいとは限りません。球が上がらない、構えにくい、ミートしづらいなどの悩みを抱える方もいます。
ここでは、そうした課題を感じている人に向けて代用クラブの選び方を紹介します。
フェアウェイウッド→3UT・4UT
フェアウェイウッドが「地面から打ちにくい」「ミートが安定しない」と感じる方には、3UTや4UTへの切り替えをおすすめします。ウッドよりヘッドが小さく重心が低いため、芝の上からでも拾いやすいため、安心して構えられるでしょう。
飛距離は少し短くなりますが、安定性が増すぶんミスが減る傾向があります。
ユーティリティ→7W・9W
ユーティリティで球がつかまらない、思ったほど高さが出ないという場合には、ショートウッドである7Wや9Wを試すのがおすすめです。
フェースが広く球が上がりやすいため、キャリーを稼ぎたい場面や、グリーンを高く狙いたい場面に向いています。ウッド特有の弾道の強さもあるため、ユーティリティの弾道が物足りない人には好相性です。
ユーティリティorウッド→中空アイアン
どちらのクラブにもなじめないという方には、近年人気の「中空アイアン」も選択肢になります。
中空構造によって飛距離性能と寛容性が高められており、見た目はアイアンに近くても、ユーティリティのようなやさしさがあります。ロングアイアンの代替としても優秀で、構えやすさやスイングの一貫性を重視する方に向いています。
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ウッドとユーティリティは、それぞれに違った強みがあり、状況によって選び方や使い方が変わってきます。どちらが正解というよりも、自分のスイングやプレースタイルに合ったクラブを見極めることが大切です。
とはいえ、実際のラウンドで「どっちを使えばよいか迷う」「狙ったように打てない」と感じた経験がある方も多いのではないでしょうか。
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