3番ウッド(3W)は、フェアウェイだけでなくティーショットでも使える便利なクラブです。ドライバーよりも球が上がりやすく、方向性が安定しやすいため、扱いやすさを重視するゴルファーには欠かせないクラブです。
ただし、正しく打つにはコツが必要で、誰でも簡単に扱えるクラブではありません。
この記事では、3Wの基本的な打ち方やドライバーとの違い、代わりに使う際の注意点などをわかりやすく解説します。

3W(3番ウッド)ってどんなクラブ?
3Wはフェアウェイウッドの一種で、ドライバーとアイアンの中間に位置するクラブです。飛距離と正確性のバランスに優れ、ティーショットや長めのセカンドショットで使用します。
ドライバーの代わりに使われることが多い
3Wは、ティーショットでドライバーの代わりとして選ばれるクラブです。飛距離はドライバーよりやや短くなりますが、その分方向性が安定しやすく、狙ったエリアに運びやすいという特徴があります。
また、ヘッドがやや小ぶりでシャフトも短いため、スイングの再現性を高めやすい点もドライバーより3Wを選ぶ理由の1つです。
3Wを使う場面
構えやすさと扱いやすさから、3Wをティーショット専用として使うゴルファーも多くいます。
さらに、ライ(ボールの状況)がよければフェアウェイでも問題なく利用でき、距離が短いミドルホールや狭いコース、ロングホールのセカンドショットなど、多様な場面で頼りになるクラブです。
3W(3番ウッド)の特徴・性能
まず3Wの飛距離やロフト角、シャフトの長さなどの基本性能を押さえましょう。
ここでは、ドライバーと比較しながら、3Wの特徴を項目別に整理します。
項目 | 3W(3番ウッド) | ドライバー |
---|---|---|
飛距離(一般男性) | 約180〜230ヤード | 約200〜260ヤード |
シャフトの長さ | 約42〜43インチ | 約45〜46インチ |
シャフトの重さ | 50グラム〜80グラム | 40グラム〜70グラム |
ロフト角 | 約13〜16度 | 約9〜11度 |
ヘッドスピード | ドライバーの次に高い | クラブの中でもっとも高い |
ライ角 | フェアウェイ対応のためアップライト傾向 | ティーショット専用設計でフラットな傾向 |
※数値や特徴はモデルやプレーヤーによって異なる場合があります。
飛距離
3Wは、フェアウェイウッドの中でも飛距離が出やすいクラブとされ、ティーショットや長いセカンドショットで重宝されます。
一般的な飛距離の目安は180〜230ヤード程度で、ドライバーほどではないものの、十分に距離を稼げます。ドライバーよりも打ち出し角やスピン量のバランスを取りやすく、ランも含めて安定した距離を出しやすいクラブです。
シャフトの長さ
3Wのシャフトの長さは一般的に42〜43インチほどでドライバーよりやや短めです。そのため、ミート率やコントロール性を担保しつつ飛距離を稼げます。
シャフトの重さ
3Wのシャフトは、ドライバーと比べてやや重めに設計されているモデルが多く、安定感を重視したい人にとって扱いやすい仕様になっています。シャフトに適度な重さがあると、スイングの軌道が安定し、振るタイミングにも余裕が生まれます。
ドライバーより10グラム程度重いモデルを選ぶのが一般的で、段階的なバランスを取れば違和感なく使い分けられます。
一方で、ヘッドスピードが出にくいと感じる場合には、軽量タイプを選択するとよいでしょう。
ロフト角
3Wのロフト角はおおよそ13〜16度前後に設定されており、ドライバーより立っている分球が上がります。
ロフト角があることで適度なスピンも入り、フェアウェイからのショットやティーショットでも安定感を得やすいのが特徴です。
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ヘッドスピード
3Wはドライバーほどのヘッドスピードを必要とせず、適度な振り抜きでしっかりと飛距離を出せるクラブです。
一般的に、ヘッドスピードが速いほどボール初速が上がり、飛距離も伸びます。
ただし、3Wは5Wやユーティリティほど球がつかまらないため、ヘッドスピードが遅い人には扱えない可能性があります。もし、3Wで球をつかまえきれない方や、高さを出せない方は、5Wや7Wを試してみるとよいでしょう。
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ライ角
3Wのライ角は、フェアウェイでの使用に合わせて、ややアップライトに設計されています。これは、芝の上からボールを拾いやすくし、スムーズな振り抜きをサポートするためのものです。
ライ角に合わせてアドレスをしなければ、スイング軌道に悪影響を与える場合があるため、傾斜地で使用する際は気をつけましょう。
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3W(3番ウッド)の構え方
3番ウッドは飛距離と正確性のバランスが良く、上手に使えばスコアメイクの強い味方になります。ただし、地面から直接打つことも多いため構えや準備動作が重要です。
ここでは、スイングに入る前の基本ポイントを解説します。
ボール位置とスタンス幅の目安
3Wは長さがありロフトも小さいため、ティーショットで使用する際はボールを「払う」ように打つ構えが理想です。ボール位置は左足かかとの内側よりやや内側に置き、インパクトゾーンを長く保つ準備をします。
スタンスはアイアンよりもやや広めに取りましょう。肩幅より少し広い程度を目安にすると、スイング中のバランスが安定し、クラブヘッドの軌道もスムーズになります。
重心の位置と前傾姿勢の作り方
3Wでありがちなミスの1つが、上げたい意識から体が起き上がってしまうことです。起き上がりや前傾の崩れを防ぐには、構えの段階で重心を足裏の中央にしっかり乗せ下半身を安定させる準備が必要です。
ドライバーよりも少しだけ前傾を深めにし、手元は体の中心〜やや左にセットします。このとき、無理にハンドファーストにしすぎるとロフトが立ちすぎてしまい、球が上がりづらくなるため注意が必要です。
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3W(3番ウッド)の打ち方のコツ
3Wは飛距離を出せる一方で、ミートが難しいクラブともいわれます。特に地面から打つ場面では、わずかなズレがミスショットにつながるため、スイングの動きそのものを安定させることが求められます。
ここでは、3Wをうまく打つための実践的なコツを紹介します。
ゆったりとしたリズムを意識する
3Wは長さがある分、速く振りたくなる気持ちが出やすいクラブです。しかし、急いで振ると軌道が乱れやすく、芯に当たりにくくなります。大切なのは「フルスイング=全力」ではなく、「スムーズに振り抜く」イメージです。
バックスイングでは腕だけで上げず、上半身と下半身の連動が重要です。切り返しで力むとタイミングが狂いやすいため、トップからは力まずに、一定のリズムで振り下ろす意識を持ちましょう。
ボールの手前からクラブを滑らせるイメージで
アイアンのように打ち込もうとすると、3Wではダフリやチョロの原因になります。特に地面から打つ場合は、ボールの手前からクラブを滑らせて入れる感覚を持つと、ソールが芝に当たりながら自然とボールを拾ってくれます。
このとき、無理にボールを上げようとすると体が起き上がってトップやダフリが出やすくなるため、フェースに乗せて運ぶような意識が大切です。低く長いインパクトゾーンを意識して、ミスの幅を狭める意識を持ちましょう。
フィニッシュまでしっかり振り切る
3Wで距離を安定させるには、フィニッシュまで振り切ることも重要です。途中で減速したり、打った瞬間に動きを止めてしまうと、スイングのエネルギーが途中で抜けて軌道が安定しません。
ダウンスイングからフィニッシュにかけて体全体をターゲット方向に回しきることで、ヘッドも正しい軌道を描きやすくなります。プレッシャーがかかる場面でも勇気を持って振り切れば、ミスをしてもある程度の飛距離を稼げるでしょう。
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3W(3番ウッド)が難しいと言われる理由は?
3Wは、フェアウェイウッドの中でもロフトが立っており、ヘッドも比較的小さめなクラブです。そのため、ボールを上げにくく芯に当てるのが難しいと感じる人が多くいます。
さらに、芝の上から直接打つ場合は、ダフリやトップなどのミスも出やすくなり、スイング精度が求められる点も難しさの一因です。飛距離は魅力でも、安定して使いこなすには高い技術が求められます。
3Wを使わないプロは多い?
プロゴルファーの中には、3W(3番ウッド)をセッティングから外している選手もいます。これは3Wが難しいクラブだからという理由だけでなく、プレースタイルやクラブ性能の進化が影響しています。
たとえば、古江彩佳選手や勝みなみ選手は、3Wを使わずに5Wや7Wを選択しています。 また、西郷真央選手も3Wを抜いたセッティングでプレーしています。 これらの選手が3Wを外しているのは、飛距離や弾道の高さ、クラブの扱いやすさを考慮して、自身のプレースタイルに合わせたクラブ選択をしているためです。
3W(3番ウッド)のミスショットと対策
3番ウッドは飛距離が出る反面、ミートの難しさや扱いにくさから、さまざまなミスが起こるクラブです。
ここでは、3番ウッドの代表的な4つのミスとその対策を紹介します。
球が上がらない
球が上がらない原因の多くは、ロフトを生かしきれていない構えやスイングにあります。たとえば、ハンドファーストが強すぎたり、インパクトで体が突っ込んでしまうと、ロフトが立ってしまい、弾道が低くなりがちです。
正確なインパクトを心掛けて、適切にインパクトすると球が上がりやすくなります。また、ボールが上がらない際は、適切なスピン量を与えるだけのヘッドスピードを出せていない可能性もあります。
もし、技術的な修正で改善できない場合は、クラブやシャフトの変更を検討してみましょう。
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球に当たらない
球に当たらない原因は、スイング軌道が不安定なことやリズムの乱れにあります。特に力みすぎや打ち急ぎは、タイミングがズレてヘッドが正しく入らなくなる主な要因です。
球に当たらない際は、スイングテンポを一定に保ち、クラブを体の一体感を意識しましょう。腕だけで振ろうとせず、上半身と下半身のの回転を使うことでヘッド軌道が安定し、インパクトの精度が向上します。
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トップする
トップの原因は、インパクト時に体が起き上がったり、ボールの手前で減速することにあります。特に「球を上げたい」という意識が強すぎると、無意識に体が伸び上がってしまい、芯に当たりません。
対策としては、インパクトまで前傾姿勢を保ち、最後まで体を起き上がらせない意識です。ボールの下にクラブを入れる意識ではなく、滑らせるイメージを持つと、結果的に安定した弾道が出やすくなります。また、トップのミスが多い方は、アイアンのように打ち込むイメージを試してみるとよいでしょう。
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フックする
フックの原因には、インパクトでフェースが極端に閉じているケースや、スイング軌道が極端なインサイドアウトになっているケースがあります。また、手首を使いすぎることも要因の1つです。
フックへの対策としては、グリップをスクエアに整え、体の回転主導でスイングすることです。手で操作しすぎないことで、フェースの開閉を抑え、曲がり幅の小さい球が出やすくなるでしょう。
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3W(3番ウッド)の使用がおすすめな人
ここでは、3Wの使用が特に向いているゴルファーの特徴を紹介します。
ドライバーは打てないが3Wは打てる人
ドライバーは長さがありロフトも立っているため、うまく当てられないと感じている方も少なくありません。ドライバーに苦手意識がある方は、3Wでのティーショットを練習するとよいでしょう。
3Wはティーショットなら比較的簡単に打てる方が多く、飛距離はドライバーと大きく変わりません。また、ミート率が高まるため安定感も増すでしょう。ドライバーより飛距離が落ちる分OBの確率も下がるため、3Wでのティーショットは初心者の方にもおすすめです。
セカンドショットを安定させたい人
ロングホールやミドルホールでのセカンドショットにおいて、アイアンでは届かずユーティリティでは上がりすぎると感じる場面もあります。そんなときに役立つのが3Wです。
3Wは、しっかりと芯をとらえれば地面からでも十分な飛距離を稼げるため、パー5で2オンを狙いたい場面や、パー4で飛距離を稼ぎたいときに重宝します。また、フェアウェイからでも高弾道が打てるようになれば、プレッシャーのかかる場面でも落ち着いて攻められるようになるでしょう。
「ティーショットは打てるのに、セカンドショットでミスが出る」という方は多いのではないでしょうか。この記事では、ゴルフのセカンドショットについての考え方や、状況に応じたクラブの選び方について解説します。2打目で起こりやすいミス[…]
フェアウェイウッドに慣れている人
5Wや7Wなどのフェアウェイウッドを日頃から使いこなしている人にとって、3Wへの移行は比較的スムーズです。構え方やスイングのイメージも近いため、違和感なく取り入れられるでしょう。
フェアウェイウッドでしっかり球が上がる人は3Wでも芯に当たりやすく、スコアを支える強力な武器になります。
3W(3番ウッド)の練習方法
3Wは難しさを感じやすいクラブですが、工夫次第で安定したショットに近づけます。芯に当てる感覚を意識しながら取り組みたい練習のポイントを、表にまとめました。
練習のポイント | 意図・効果 |
---|---|
ティーアップを低めにして打つ | ボールとの最適なコンタクト位置を体で覚える |
スリークォーターで振る | フルショットよりも安定したスイングが身につく |
方向を決めてターゲットを狙う | 狙いに対するインパクトのばらつきを確認できる |
他のフェアウェイウッドと交互に打つ | 3Wの特徴と他番手との違いを比較できる |
3W(3番ウッド)とほかのクラブの違いや使い分け
5Wや3UTは3Wと飛距離が近いクラブですが、構えやすさや弾道にはそれぞれ違いがあります。それぞれの特性を整理しながら、場面に応じた使い分けをしましょう。
5W(5番ウッド)
5Wは3Wよりもロフト角が大きく、球が上がりやすいのが特徴です。飛距離は3Wよりやや劣りますが、高さと安定性を重視する場面には向いています。ライが悪い場所や風の影響を受けやすい状況など、3Wだと難しいと感じたときには5Wの出番といえるでしょう。
3UT(3番ユーティリティ)
3UTは、アイアンの打ち方に近い感覚で扱えるクラブで、芝が薄い場所や傾斜地でも安定しやすいクラブです。ヘッドがコンパクトな分、ミスにシビアな面はありますが、スイングが安定していれば高弾道で狙える武器になります。3Wよりも弾道の高さは出にくいものの、コントロール重視の場面では頼りになります。
特定のクラブを集中的に練習したいならステップゴルフの活用がおすすめ◎
3Wは扱いが難しい一方で、うまく使いこなせればスコアアップにもつながる頼もしいクラブです。
とはいえ、自己流の練習ではスイングのクセに気づけなかったり、クラブの特性に合った練習ができなかったりする場面もあります。
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指導を行うのは、厳しい認定試験を通過したインストラクターのみ。パッケージの指導ではなく、1人ひとりの課題や目標に応じたオーダーメイドのレッスンが受けられるため、3Wなど特定クラブを重点的に鍛えたい方にもぴったりです。
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