ゴルフでスコアをまとめるには、ショートゲームの精度が大きなカギを握ります。なかでも重要なのが「ウェッジ」の使い分け。ただ、ピッチング、アプローチ、サンド、ロブと種類が多く、角度の違いによって飛距離や弾道がガラッと変わるため、何を使えばよいか迷う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ウェッジの角度に注目し、それぞれの特徴や用途、飛距離との関係まで丁寧に解説します。自分に合ったウェッジ選びのヒントを探している方は、ぜひ参考にしてください。

ゴルフクラブのウェッジとは
スコアを左右するアプローチやバンカーショット。こうした短い距離のグリーン周りのショートゲームに特化したクラブが「ウェッジ」です。
ゴルフクラブの中でもロフト角(フェースの傾き)が大きく、ボールを高く上げてピンに寄せるショットに適しています。
フルスイングで飛ばすクラブではなく、距離を細かく刻むための精密クラブでスコアを支えてくれる存在です。
ウェッジは寄せに強いショートゲーム用クラブ
ウェッジは複数種類があり、それぞれが距離感・高さ・スピン量を使い分ける役割を持っています。
飛距離を稼ぐクラブではなく、グリーン周りからの寄せ、バンカーショット、100ヤード以内の第2打、第3打といった場面で使用される、スコアをまとめるための重要なクラブです。
また、多くのウェッジはロフト角が大きく、ボールが高く上がりスピンがかかりやすいため、狙った場所にピタッと止める、ピンを狙っていける、といった精度の高いアプローチが可能になります。
ウェッジの「角度」とは
ウェッジの「角度」というと、まず注目したいのが「ロフト角」です。これはボールがどれくらい高く上がるかに関わる数値で、ウェッジの性能を見極める重要な指標になります。
加えて、プレーの安定性を左右するのが「バウンス角」。こちらはクラブのソール(底)が地面に当たった際の滑り具合・跳ね返り具合に関わり、芝や砂との相性を大きく左右します。
それぞれの角度がプレースタイルにどう影響するかを、詳しくみていきましょう。
ロフト角
ロフト角は、クラブフェースがどれくらい上を向いているかを示す角度です。
数値が大きくなるほどボールが高く上がり、スピンがかかりやすく、飛距離は短くなります。こうした性質を持つため、ウェッジは細かい距離を打ち分けるのに最適です。
一般的にウェッジは、おおよそ44〜60度以上のロフト角が設定されています。
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バウンス角
バウンス角は、クラブを地面に置いたときにリーディングエッジ(刃)がどれだけ浮いているかを示す角度です。この角度が大きいほど、ソールが地面に跳ね返りやすくなり、ダフリにくくなります。
バンカーショットや柔らかい芝で安定しやすくなります。逆に、固い地面や冬場の薄い芝ではバウンス角が小さいほうが扱いやすくなります。
ウェッジの角度の調べ方
ほとんどのウェッジはソール部分やヘッドの刻印にロフト角が記載されています。モデルによって同じ種類でも角度に違いがあるため、購入前には必ず確認しましょう。
ショップのスタッフやフィッティングサービスに相談すれば、スイングタイプやコース環境に適したロフト角・バウンス角を提案してもらえます。
【角度でわかる】ウェッジの種類と使い分け
ウェッジにはいくつかの種類があり、それぞれロフト角によって役割が異なります。
角度が大きくなるほどボールは高く上がりやすくなり、飛距離は短くなります。そのため、距離や状況に応じてウェッジを使い分けることが、アプローチの精度を高めるうえで重要です。
以下に、ロフト角別にウェッジの特徴や使用シーンをまとめた一覧を紹介します。
| ウェッジの種類 | ロフト角の目安 | 主な用途 |
|---|---|---|
| ピッチングウェッジ(PW) | 44〜47度 | 100ヤード前後のフルショット、ラン寄せ |
| アプローチウェッジ(AW) | 48〜53度 | 80〜100ヤード、転がしと上げる中間アプローチ |
| サンドウェッジ(SW) | 55〜58度 | バンカー、50〜80ヤードの上げるショット |
| ロブウェッジ(LW) | 60度以上 | 高く上げて急停止させたい場面、障害物越え |
【44~47度】ピッチングウェッジ(PW)
ピッチングウェッジは、最もストレートで安定した弾道になりやすいウェッジです。
ロフト角が比較的小さいため、100ヤード前後のフルショットにも使えます。グリーン周りでは転がし寄せにも対応でき、幅広く使用されます。
多くのアイアンセットに標準で含まれており、初心者でも扱いやすいクラブです。
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【48~53度】アプローチウェッジ(AW/GW)
アプローチウェッジは、ピッチングとサンドの中間的なロフト角です。
球が上がりやすく、適度に転がるため、80〜100ヤード付近のショットに向いています。グリーン周りで上げたいけれどサンドウェッジほど高さは不要、という場面で重宝されます。
クラブ間の「距離の隙間(ギャップ)」を埋める役割があるため、ギャップウェッジ(GW)とも呼ばれます。
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【55~58度】サンドウェッジ(SW)
サンドウェッジは、バンカー脱出用として欠かせないクラブですが、それ以外にも高く上げてピンに止めたい50〜80ヤードのアプローチにも使われます。
バウンス角が大きめのモデルが多く、芝に突き刺さりにくいため、ダフリが気になる方にも安心感があります。
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【60度~】ロブウェッジ(LW)
ロブウェッジは、ウェッジの中で最もロフト角が大きいクラブです。ボールを高く上げて、急激に落とすようなショットが打てます。砲台グリーンやバンカー越えなど、縦の距離感をコントロールしたい場面で活躍します。
一方で扱いが難しく、スイングの精度が求められるため、初心者のうちは無理に使わず、慣れてから必要に応じて追加するのがおすすめです。
ステップゴルフなら、スイング理論だけでなくクラブの選び方やコースマネジメントなども学べます。
ウェッジの角度と飛距離
ウェッジはロフト角が大きくなるほどボールが高く上がり、飛距離は短くなっていきます。
ただし、実際の飛距離はスイングスピードや打ち方にも左右されるため、あくまで目安として捉えるのがポイントです。
以下は、一般的なアマチュアゴルファー(男性)のフルショット時の飛距離の目安です。
| ロフト角 | 種類 | 飛距離の目安(男性) |
|---|---|---|
| 44〜47度 | ピッチングウェッジ(PW) | 約90〜110ヤード |
| 48〜52度 | アプローチウェッジ(AW) | 約80〜100ヤード |
| 54〜56度 | サンドウェッジ(SW) | 約60〜80ヤード |
| 58〜60度 | ロブウェッジ(LW) | 約40〜60ヤード |
たとえば、52度のウェッジならAWに該当し、80〜100ヤード前後が基準になります。同様に、56度ならサンドウェッジの飛距離帯に入ります。
自分のスイングでどのくらい飛ぶかを練習で把握しておくことが、ウェッジを正しく使い分けるコツです。
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ウェッジの角度とおすすめの組み合わせ
ウェッジは何本入れるべきか、どの角度を組み合わせるのがよいかは、多くのゴルファーが悩むポイントです。基本は3本の構成が主流ですが、その角度や役割のバランスによってプレースタイルにも違いが出てきます。
以下では、代表的なウェッジセッティングの例を3つ紹介し、それぞれの強みを解説していきます。
【48・52・56度】バランス型の基本セッティング
ピッチングに近い48度から始まり、52度のAW、56度のSWまでを揃えた構成です。4度刻みで飛距離の階段がつくれるため、ショートゲーム全体の精度が安定します。
どのクラブも万能な距離で活用しやすく、グリーン周りから80〜100ヤード付近まで幅広く対応。距離感をシンプルに整理したい中級者や、クラブセッティングを整えたい初級者にも向いています。
【50・56・60度】上げて止める派におすすめのセッティング
ピッチングのあとを50度にし、そこから一気に56度、60度と大きくロフトをつける構成です。
やや距離の空きは出るものの、SW・LWの2本が揃うことで、ふわっと浮かせて止めたいショットや砲台グリーンへの対応力が高まります。
グリーン周りで多彩な高さやスピンを使い分けたい方、柔らかいアプローチを重視したい方におすすめです。
【52・56・60度】サンド〜ロブの精度を重視したセッティング
52度でフルショットの安定感を確保しつつ、56度・60度の2本でショートゲームを組み立てる構成です。
特にバンカーショットやフェースを開いてのアプローチを多用するプレーヤーに向いており、ラフや硬いグリーンでもしっかり止める技術が活きてきます。
一方で、50ヤード以上の中距離アプローチが苦手な方には距離の間が空く可能性があるため、スイングコントロールの精度がある程度必要です。
ウェッジは56度と58度を両方入れるべき?
56度と58度のウェッジは役割が近いため、両方入れるか迷う人も多いですが、初心者〜中級者にはあまりおすすめできません。
確かに、高さを出すアプローチやラフ対策、バンカーの使い分けなど、ショートゲームの幅を広げられるという利点はあります。
しかし飛距離差が小さく、52〜56度の間に距離の空白ができやすい点や、58度はミスが出やすく難易度が高い点は大きなデメリット。使いこなせるのは、技術に自信がある上級者に限られます。
初心者におすすめなウェッジの角度の選び方
ウェッジ選びに迷ったら、まずはロフト差を一定にして距離の階段を作ることを意識すると失敗しにくいです。
初心者におすすめの基本セット
- PW(44〜47度):アイアンセットの流れでそのままOK
- AW(48〜50度):PWからロフト差が大きく開きすぎないもの
- SW(54〜56度):まずは56度が万能で安心
60度(ロブウェッジ)の必要性は?
60度以上のロブウェッジは、グリーン周りで高く上げて止める技術がある方向けのクラブです。フェースの開きやインパクトの再現性が求められるため、初心者が使うにはやや難易度が高めです。
「バンカーから高く上げたい」「砲台グリーンを狙いたい」といった明確な目的がある場合を除いて、無理に入れる必要はありません。まずはPW・AW・SWの3本構成を安定させることで、ショートゲームは整えられます。
ステップゴルフのコースレッスンでラウンドの実践対策を!
ウェッジの角度や種類、飛距離の違いを理解しても、練習場と実際のコースでは状況が全く違います。実際のラウンドで思い通りに使いこなすには、やはり実践の中での経験が欠かせません。
私たちステップゴルフでは、インドアでの基本的なスイング指導に加え、コースレッスンを通じて「実戦で使えるゴルフ力」をしっかり身につけていただいています。
インドアレッスンでは、1人ひとり異なるオーダーメイドレッスンを通じて初心者から上級者まで、それぞれの目標に合わせたサポートを行っています。
そして、習得した知識や技術を実際のコースで試せるのがコースレッスンです。練習場ではうまく打てていても、コースに出ると急に難しく感じることは珍しくありません。「自分に本当に合ったロフト角や信頼できるクラブなのか」、練習場では出会えないさまざまなシチュエーションの中で、実際のラウンドを体感しながら確かめていくことができます。
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