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アイアンとウェッジの打ち方の違い。状況ごとの使い分け方も解説

ゴルフを始めたばかりの方にとって、アイアンとウェッジの違いは少しわかりづらいものがあるかもしれません。どちらも似た形状をしており、使用する場面も重なることがあるため、使い分けに迷う方も多いのではないでしょうか。

この記事では、アイアンとウェッジの構造や性能の違い、状況に応じた使い方までわかりやすく解説していきます。クラブ選びの参考にぜひ活用してください。

ステップゴルフ野口コーチ
監修者 野口
初めから完璧に使い分けるのは難しいですが、それぞれの特性を理解して、徐々にシーンに合わせて使えるようにしていきましょう!

【基本】アイアンとウェッジの違い

アイアンとウェッジは、どちらもグリーンを狙うためのクラブですが、設計や用途には明確な違いがあります。

以下の比較表で概要を把握したうえで、それぞれの項目について詳しく見ていきましょう。

比較項目アイアンウェッジ
使う場面中距離からのショット短距離・グリーン周りでの寄せやバンカーショット
飛距離100〜200ヤード前後(番手による)120ヤード以内(SWやLWはより短い)
ロフト角約20〜45度(3番〜9番)約45〜64度(PW〜LW)
シャフトの長さ比較的長い(番手が上がるほど長くなる)短めで操作性が高い
クラブ形状フェースが薄く、やや直線的フェースが分厚く、重心が高め

用途の違い

アイアンは主に中距離からグリーンを狙うために使用します。番手ごとの飛距離は、個人差はありますが5番アイアンで150〜170ヤード、9番で100〜120ヤードほどが目安です。フェアウェイやラフ、ティーショットでも使用される汎用性の高いクラブです。

一方ウェッジは、グリーン周りのアプローチやバンカーショットといった精度重視の場面で活躍します。番手によってボールの飛ぶ高さや転がり方が変わるので、短い距離を思い通りに打ち分けるのに便利です。

飛距離の違い

飛距離は、ロフト角とシャフトの長さの違いから明確な差が出ます。

アイアンは飛ばすことが前提で、番手ごとに飛距離が大きく変わるよう設計されています。

対してウェッジは短い距離を狙うため、ロフト角が大きく、シャフトも短くなっています。

たとえばピッチングウェッジで90〜110ヤード、サンドウェッジで60〜90ヤード、ロブウェッジになると50ヤード未満と、基本的には細かく距離を刻むのに有効です。

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設計の違い

続いて両クラブの設計の違いとして、ロフト角とシャフトについてみていきます。

ロフト角の違い

ロフト角とは、クラブを垂直に立てた時のクラブフェースの傾きの角度を指します。

アイアンは番手が小さいほどロフト角が小さく(=飛距離が出る)、大きくなるにつれてロフト角も増していきます。たとえば5番アイアンでは25度前後、9番アイアンで42度程度が一般的です。

ウェッジはさらにロフト角が大きく、ピッチングウェッジで約45度、サンドウェッジで56度前後、ロブウェッジでは60度を超えることもあります。

この角度によって高く上がって止まる球が打ちやすくなり、グリーン周りでの寄せに適しています。

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シャフトの違い

アイアンは番手が上がるほどシャフトが長くなり、飛距離を出しやすくする設計になっています。一般的にスチールシャフトが多く、振り抜きやすさと方向性のバランスが取れています。

一方、ウェッジは操作性重視で、全体的にシャフトが短く作られています。シャフトが短いとしなりが抑えられ、ロフトが立って当たりやすくなります。また、球が捕まりやすく、アプローチのコントロールがしやすくなります。

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【ウェッジの種類別】アイアンとの違い

ウェッジとひと口に言っても、実際には複数の種類があり、それぞれに明確な役割があります。

ここでは代表的な3種類(PW・SW・AW)について、一般的なアイアンとの違いを整理した上で、どのように使い分けるべきかを見ていきます。

種類ロフト角の目安飛距離の目安使う場面
PW(ピッチングウェッジ)約44〜47度約90〜120ヤードフルショット・中距離のアプローチ
AW(アプローチウェッジ)約48〜52度約70〜90ヤード距離の短いアプローチ
SW(サンドウェッジ)約54〜58度約50〜80ヤードバンカー・高い球での寄せ

ピッチングウェッジ(PW)とアイアンの違い

ピッチングウェッジは、アイアンセットに含まれていることが多く、9番アイアンの一番手下のクラブとして使用されるクラブです。ロフト角はおよそ45度前後で、比較的長い距離を正確に狙えるクラブとして重宝されます。

9番アイアンと飛距離が近いため「いらないのでは?」と思われがちですが、PWの方が高く上がりやすく、グリーン上でボールを止めやすいという違いがあります。

初心者の場合はPWだけでも十分ですが、距離感を細かく刻みたい人には特に欠かせない一本です。

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サンドウェッジ(SW)とアイアンの違い

サンドウェッジは、その名の通りバンカーショットで威力を発揮するウェッジです。ロフト角は約56度前後と大きく、球が高く上がりやすいため、バンカー越えやフワッとしたアプローチに適しています。

アイアンでは難しい「砂を爆発させるようなショット」がしやすく、ソール幅も広めに設計されています。

上級者はSWを積極的に使いますが、初心者にとっては扱いが難しいクラブでもあります。グリーン周りでSWを使いこなすには、ある程度の経験が求められます

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アプローチウェッジ(AW)とアイアンの違い

アプローチウェッジは、PWとSWの間に位置するクラブです。ロフト角は約50度前後でPWとSWの間の飛距離の差を埋める役割を担います。

「PWとSWのどちらかがあれば不要」という意見もありますが、実際には飛距離や球筋に「ちょうど中間」が欲しい場面が多く、特にコース戦略を意識するようになる中級者以降には重宝されます。

初心者のうちはPWとSWの2本でも十分ですが、距離感を正確に打ち分けたい人にはAWが役立ちます

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ステップゴルフでは、クラブごとの使い分けや打ち分けに関してもわかりやすくティーチングしております。

アイアンとウェッジの打ち方の違い

構造や用途が異なるように、アイアンとウェッジはスイングやインパクトのイメージにも違いがあります。

ここでは、それぞれの打ち方で特に意識したいポイントを2つずつ取り上げて比較していきます。

アイアンはダウンブローで打つ

アイアンは、ボールをやや上から叩くように打つダウンブローが基本です。クラブが最下点に向かっていく途中でボールを捉えることで、スピンが入りやすくなり、球が高く上がって止まりやすくなります。

構えた際はボール位置を体の中央よりやや左寄りに置き、ハンドファースト(グリップがヘッドより前)を意識することが重要です。結果としてターフ(芝の削れ)がボールの先にできるのが理想的なインパクトになります。

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アイアンは番手ごとにスイングを変えすぎない

アイアンは番手によってシャフトの長さやロフト角が違いますが、基本のスイングテンポやフォームは大きく変えないほうが安定します。番手が上がるにつれて飛距離は伸びますが、それはクラブの性能によるものであり、スイングの力加減を大きく変える必要はありません。

スイング幅や力感に差をつけすぎるとミスの原因になりやすいため、常に一定のリズムとバランスで振る意識を持つことが大切です。

ウェッジは上から打ち込まず滑らせる

アイアンのように鋭角に打ち込むと、ウェッジでは刺さりすぎてミスにつながることがあります。ウェッジの打ち方で重要なのは、ソール(クラブの底面)を滑らせる感覚です。

特にサンドウェッジやロブウェッジは、バウンス角(ソールの出っ張り)が大きいため、地面に対してやや浅めの入射角で、フェースを滑らせるように打つと安定します。

バンカーショットやラフの寄せではこの感覚が必須です。

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ウェッジの正面写真

ウェッジは距離と高さを打ち分ける

ウェッジは飛距離を求めるというよりも球の高さやスピン量をコントロールするクラブです。そのため、フルスイングよりもハーフショットやスリークォーターショットといったコンパクトな振り幅で打ち分ける場面が多くなります。

たとえば、同じAWでも振り幅を変えるだけで70ヤードから40ヤードまで自在に距離を調整できます。スイングプレーンもやや縦振りにして、球を高く上げたり、フェースを開いてスピンをかけたりといった応用が効きやすいのが特徴です。

【状況別】アイアンとウェッジの使い分け

コースに出ると、ボールの位置やライ、目標までの距離などによって適したクラブは大きく変わってきます。

ここでは、代表的な4つのシーンごとに、どのクラブを選ぶべきかをお伝えします。

中距離からグリーンを狙うならアイアン

100ヤード以上の中距離からグリーンを狙う場面では、番手を使い分けられるアイアンが適しています。フェアウェイやラフからのショットでも、スイングが安定していればアイアンで十分にグリーンを狙うことができます。

たとえば、残り150ヤードなら7番アイアン、120ヤードなら9番アイアンといったように、自分の番手と飛距離の目安を把握しておくと判断しやすくなるでしょう。

80ヤード以内のアプローチならウェッジ

残り距離が80ヤード以下になったら、ウェッジの出番です。高い弾道でピンを狙いやすく、スピンもかかりやすくなるため、ピンそばにつけるチャンスが増えるでしょう。

この距離ではピッチングウェッジやアプローチウェッジを使い分けると効果的です。距離が短いからといってスイングを緩めるのではなく、コンパクトな振り幅でしっかり振ることがミスを減らすコツです。

バンカーからの脱出ならサンドウェッジ

グリーンサイドのバンカーに入った場合は、サンドウェッジを選びましょう。広いソールと大きめのロフト角によって、砂の下からボールを浮かせやすくなっています。

ポイントは、ボールの手前の砂ごと打ち出すイメージを持つこと。フェースをやや開き、バウンスを使ってクラブを滑らせることで、力まずにバンカーから脱出できます。

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ピンまで10ヤード以内ならロフトのあるウェッジ

ピンがすぐそこにある状況では、ロブショットや高く上げて止める球が必要になるため、サンドウェッジやロブウェッジのようなロフトのあるクラブが適しています。

地面との接地時間が短く、スピンでピタッと止まる球が打てるので、転がしでは対応しきれない場面でも使いやすいです。ただし、10ヤード位内の短い距離をコントロールするのは難易度が非常に高いため、普段から練習しておくことが前提です。

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セットウェッジと単品ウェッジの違い

ウェッジには、アイアンセットに最初から含まれている「セットウェッジ」と、個別に購入する「単品ウェッジ」があります。どちらも一見似ていますが、設計意図や性能に明確な違いがあります。

セットウェッジと単品ウェッジの違い

項目セットウェッジ単品ウェッジ
ロフト角の刻み大まか(PWのみのことも多い)細かく選べる(AW、SW、LWなど)
デザインアイアンと統一感あり専用設計でスピン性能や操作性が高い
操作性オートマチックで安定志向より繊細なタッチが可能
重心設計ストレートネック中心で重心が低いものが多いセミグースやワイドソールなど多様で重心が高いものが多い

セットウェッジは、アイアンと同じ流れでスイングできるように設計されており、ミスを抑えやすいのが特徴です。主にピッチングウェッジ(PW)が対象で、初心者でも扱いやすく、ショットの安定感を求める方に向いています。

一方、単品ウェッジはグリーン周りでのアプローチやスピン性能に特化した設計が多く、より細かな距離の打ち分けや操作を求める中・上級者に好まれます。アプローチウェッジ(AW)やサンドウェッジ(SW)、ロブウェッジ(LW)などを必要に応じて追加していくスタイルが一般的です。

目的やプレースタイルに応じて、最適なウェッジ構成を考えていきましょう。

アイアンとウェッジの使い分けはコースレッスンで感覚を磨くのが◎

アイアンとウェッジの違いや使い分けは、知識として理解するだけでは不十分なことが多く、実際のコースでさまざまな状況を経験しながら覚えていく必要があります。傾斜・ラフ・バンカーといった実戦特有のシチュエーションでは、打ちっぱなし練習場では得られない感覚や判断力が求められます。

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ウェッジとアイアン
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