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小さな炎と和尚さんのひと言が教えてくれたこと 。──お盆の迎え火と送り火を思い出して──
2026.08.10

小さな炎と和尚さんのひと言が教えてくれたこと 。──お盆の迎え火と送り火を思い出して──

こんにちは。

ステップゴルフプラス松山中央店の中川です。

 

小さな炎の向こうに、ご先祖さまをそっと思い浮かべていたあの夏の夕暮れを、今年はあらためて言葉にしてみます。

お盆には、ご先祖さまがあの世から家へ帰ってくると考えられており、迎え火と送り火には、その行き帰りを見守る役目があると言われています。迎え火は、お盆の始まりの夕方に家の前やお墓で火を焚き、戻ってくるご先祖さまが道に迷わず自分の家まで帰ってこられるよう照らす火です。「ここですよ」「おかえりなさい」という合図であり、火の明かりと煙でまわりを清める意味もあるとされています。送り火は、お盆の終わりに焚く「行ってらっしゃい」の火です。お盆のあいだ一緒に過ごしたご先祖さまを、ありがとうという気持ちといっしょにあの世へ送り出し、帰り道を明るく照らす役割があります。迎え火と送り火は、日本で古くから受け継がれてきた「先祖を大切にする心」を、目に見える形にしたお盆の大事な行いだといえます。

 

そんな迎え火と送り火を、私は子どものころからごく身近なものとして見てきました。お盆になると、家の近所のお墓へ行き、家族で草を抜いたり、水をかけて石をきれいに洗ったりします。花を生け、線香に火をつけると、ふわっと立ちのぼる煙といっしょに、墓地全体が少しだけしんと静かになるように感じました。夕方には、玄関先やお墓の前で小さな火を焚きます。コンクリートの上に腰を下ろし、火がつくのをじっと待っている時間は、どこか特別でした。ぱちぱちと音を立てて燃え上がる細い炎を見つめながら、「この明かりを目印に、ご先祖さんが帰って来るんよ」と母親から聞かされると、見えないお客さんをお迎えしているようで、胸の中がすこしだけ引き締まるような感覚がありました。送り火のときには、同じ火なのにどこか名残惜しさが混じります。だんだん小さくなっていく炎に手を合わせながら、「また来年も帰ってきてください」と心の中でそっとつぶやくその瞬間が、お盆がひと区切りつく合図になっていました。

 

迎え火と送り火のやり方や日程には、地域や宗派ごとのしきたりがいろいろあるかと思います。お墓で火をもらって提灯に移し、その明かりといっしょに家まで帰るところもあれば、玄関先で火を焚く家もあります。本やインターネットには細かな作法も書かれていますが、お盆はもともと、日本古来のご先祖さまを敬う心と、仏教の供養の行事が結びついて生まれたものだと説明されています。大事なのは、「どの作法が正解か」だけではなく、その向こう側にある気持ちなのだと思います。

 

私が通うお寺の和尚さんも、「しきたりも大事だけれど、いちばん大事なのは、その人のことを思い出してあげることですよ」と話していました。迎え火や送り火の火の前で、亡くなったあの人の顔を思い浮かべ、どんな人だったかを心の中でそっとたどってみる。その静かな時間こそが、いちばんの供養なのだという言葉は、毎年なんとなく続けてきたお盆の行事に、やさしく意味を与えてくれているように感じます。小さな炎の向こう側に、ご先祖さまの姿をそっと思い描きながら手を合わせるひととき。そのささやかな時間を、これからも無理のない形で続けていきたい。そして息子たちにも伝えていきたいと思います。

 

どうぞ、迎え火と送り火を思い出すひとときとともに、良い1週間をお迎えください。

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